ユリアン・ナーゲルスマン

 トッテナムの来季以降の新指揮官として名前が挙がっていたユリアン・ナーゲルスマン氏について、クラブが同氏を招へいする可能性が消滅したようだ。イギリスメディア『BBC』を筆頭に現地メディアが一斉に報じている。

 今シーズンのトッテナムは3月26日にアントニオ・コンテ元監督との契約を双方合意のもとで解除。アシスタントコーチを務めていたクリスティアン・ステッリーニ氏が暫定監督に就任していたが、1勝1分2敗と成績が安定せず、4月23日に行われたプレミアリーグ第32節ニューカッスル戦を1-6で落とした翌日に解任が発表されていた。現在は同氏からバトンを引き継いだライアン・メイソン氏が暫定監督としてクラブを率いている。

 正指揮官不在でシーズン後半戦を戦う中、来季以降のトッテナムを率いる人物に注目が集まることに。このような状況でナーゲルスマン氏の名前が候補として浮上し、直接交渉を行ったと報じられていた。ナーゲルスマン氏は3月24日にバイエルンの指揮官を電撃解任された後はフリーの状態が続いており、多くのクラブが新監督候補として関心を示していることが明らかになっている。

 だが、今回の報道によると、ナーゲルスマン氏が来季トッテナムのベンチに座っている可能性は消滅したという。実際に具体的な交渉が行われていたという事実はなく、今後も同氏に接触することはないと伝えられた。理由は明確ではないものの、ダニエル・レヴィ会長はフットボールディレクターと考えのギャップを埋めることを最優先しており、新SDの招へいを含めて新たな動きがある可能性が指摘されている。実際には候補でなかったにもかかわらず、“逃した”という印象が強くなることを避けるためだとの見方もあるようだ。

 なお、過去にはナーゲルスマン氏だけでなく、イギリスメディア『スカイスポーツ』によってレヴァークーゼンを率いるシャビ・アロンソ監督に関心を持っていることが報じられていた。『BBC』によると、バーンリーをプレミアリーグ昇格へと導いたヴァンサン・コンパニ監督に接触する可能性もあるという。さらに、ジャーナリストのギジェム・バラゲ氏はブライトンを率いるロベルト・デ・ゼルビ監督を候補として考えていることを報じた。

 現在プレミアリーグで暫定6位のトッテナムは、来季の欧州カップ戦出場権を逃す可能性も浮上している。難しいシーズンを過ごす中、トッテナムは新監督人事でどのような決断を下すだろうか。