19日から広島市で先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)が開催される。同会議では、岸田総理と韓国の尹錫悦大統領が「韓国人原爆犠牲者慰霊碑」を訪れる予定だ。
【映像】慰安婦像を取り囲む人々(画像あり)
この動きについて、ニュース番組「ABEMA Prime」に出演した、韓国政治・日韓関係の専門家である浅羽祐樹氏(同志社大学教授)は「非常にうまいやり方だ」とコメント。
「なぜあの地に韓国人、朝鮮人がいたか。『この世界の片隅に』の漫画や映画で描かれている通りの事情だ。徴用という、韓国側からは強制連行、強制労働と呼ばれるが、そういう事実があって、亡くなっている。その場所で日韓の首脳が、場合によってはアメリカのバイデン大統領も含まれると尚良いが、慰霊碑に頭を下げれば、日本政府が正式に認めなくとも元徴用工の問題を含んだパフォーマンスとして黙礼する画が世界に配信される」
先週、岸田総理が韓国を訪問し、12年ぶりの日韓シャトル外交が再開した。共同会見では、岸田総理が元徴用工問題について「当時、厳しい環境の下で多数の方々が大変苦しい、そして悲しい思いをされたことに心が痛む思いだ」とコメント。韓国メディアも一斉にこれを報じ、後日、尹大統領も「韓日両国が直面している困難を乗り越え、新しい未来を切り開くことができるだろう」と述べた。
浅羽氏は「岸田総理が共同参拝で何らかの発言をすれば、たとえ韓国が望んでいる法的な責任や、痛切な反省、心からのお詫びといった言葉ではなかったとしても、このインパクトは『日韓和解の一枚絵』になり得るので、日本側にはうまい演出を詰めてもらいたい。実は私も間接的に関わっていて、案が通って良かったと思っている」という。
慰霊碑の共同参拝には、どのような効果が見込めるのか。
「2016年、当時アメリカのオバマ大統領が広島にやってきて、被爆者の方を抱きしめる姿勢があった。演説はまるで詩のようだった。被爆者に対して何一つ言っていなくても、何か和解した感があった。今回もこれと同じような効果が見込める」
(「ABEMA Prime」より)
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