「クンシランの花盗んだ人! お店で20年育てた花です。返してください」
そう訴えるのは、六本木の芋洗坂にある海鮮居酒屋 魚洋水産の女将・大場メリさんだ。常連客にプレゼントされ、大切に育ててきたクンシランが5月6日の夜中から7日の昼の間に忽然と姿を消した。鉢ごと盗まれたものと見られる。ニュース番組『ABEMA的ニュースショー』は調査を行った。
不可解なのはその重さで10キロ以上あるという。歩いて一人で持っていくことは困難で自転車でも難しい。車が使われたものと推察される。車まで運んでいる姿を見ても「お店の人か業者が運んでいる」ようにしか見えなかっただろう。
クンシランは蘭の仲間ではなく、ヒガンバナ科の植物。3〜4月に赤い花を咲かせる。花だけでなく、葉も艶やかで一年中楽しめる。株の寿命が長く、盆栽のように枝ぶりで大きく値段が変わる。
大場さんは20代で銀座のクラブなど4軒開業。きっぷの良さと細やかな心遣いでどの店も繁盛したという。40代で六本木に魚洋水産を開店。「待ってくれているお客さんがいるから」と誰よりも早く店に来て仕込みを行い、パワフルに働き、女手ひとつで酒場の激戦区に人気店を作り上げた。
「いつもありがとう」「いつまでもお元気で」。常連客からプレゼントされたクンシランを見るたびにそんなお客さんからの愛情と励ましを感じ、元気の源として店頭に飾っていた。
だからこそ、クンシランを失ったショックは計り知れなかった。なぜクンシランが狙われたのか?
東京都港区フラワー華実の岩崎由美代表は「好きな人は大変好きな花で、珍しいので盗まれたのではないか。在宅で仕事をする人が増えたので観葉植物の業界は需要が伸びている。値段も10%以上上がっている」と話す。
クンシランの値段も10〜20%上がり、ネットオークションを見ると10万円以上のものが多く、最も高いものは20万円の値をつけている。
はたして転売目的の盗難なのか。大場さんは、警察に盗難届けを出しておらず、持ち去った人に「枯らさずにこっそり返してくれたらいい」と話す。
「枯らさないでほしい。日光に当てて少しお水をあげてほしい。それだけでいいです」
千原ジュニアは「盗んだ花を愛でてキレイと感じるか?」と発言。ドランクドラゴンの鈴木拓も「売るにしても全然居心地が良くない」と話した。
(『ABEMA的ニュースショー』より)
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