2024年に迫った、アメリカ大統領選挙。野党・共和党の指名候補争いでは、トランプ前大統領が支持率で一歩リードしている。
【映像】アカデミー賞を批判するアメリカの名俳優リチャード「吐き気がする」(画像あり)
そんな中、高まりを見せているのが「反WOKE」だ。そもそも「WOKE」とは「目が覚めた」「悟った」という意味で、人種やジェンダーをめぐる、差別や社会問題に高い意識を持つ人を指すポジティブな言葉として使われる。それを逆手に取り、意識が高いことを気取り、価値観を押し付けることを批判する動きが「反WOKE」だ。
この動きは政治の世界だけではない。アカデミー賞では「定数のマイノリティを起用しなければいけない」という新たな選考基準が来年から設置される。これに、アカデミー賞主演男優賞を2度受賞したアメリカの俳優リチャード・ドレイファスが「吐き気がする」と痛烈批判した。
ニュース番組「ABEMA Prime」に出演した、ネット掲示板「2ちゃんねる」創設者のひろゆき氏は「多様性と言っている人たちが、多様性を狭めている」と指摘する。
「僕は『白鳥の湖』の主演を白人とアフリカ系の両方が担当して『みなさん好きなほうを見てください』が多様性だと思う。一方で『これは白人、もしくは黒人がやらなければいけない』は制限だ。女性しか出られない陸上大会に、男性性器が付いている自称女性の人の出場を認めるかどうか。僕は認める大会、認めない大会、両方あっていいと思う。『こうしなければならない。一つのルールにするべきだ』と言う人たちは、むしろ僕は反多様性だと思う」
ひろゆき氏は「全員に強制するシステムは良くない」とした上で「例えば『豚肉を食べたい』と思っている地域の人は食べればいい。でも、日本中で豚肉を食べるか食べないかを決めることは、僕は間違いだと思う。ルールやシステムにしないで、いろいろな考え方を持った組織が好き勝手やるほうがいい」と述べる。
日本とチェコのハーフとしてプラハに生まれ、日本・ハンガリー・ドイツで育った株式会社Culmony代表の岩澤直美氏は「久しぶりに『意識が高い』という言葉を聞いた」と驚く。
「大学生で起業をした時に『意識が高いね』と言われた。全国の学校現場を見ているが、今の高校生は『意識高い』という言葉をそんなに使わない。当たり前のように、高い意識を持っているからだ。大人たちが残してきた問題で、意識が高い生活をせざるを得ない」
立憲民主党から国会議員を目指して奮闘している、政治活動家の原田謙介氏は「リベラルの中でも、自分の価値観が正義だと言って、それを認めない人を排除することがある」と述べる。
「政治家がリベラルの活動家をうまく使って、自分たちの票を伸ばそうとしている。活動家は、政党に関わりたいのではなく、あくまでも環境やジェンダー問題について活動したいだけだ。それを政治家、政党が取り込もうとする。結果、政党間の分断や争いにつながって、活動の本質がズレてくる」
原田氏が行っている若者の投票率向上のための活動も、ある意味では冷ややかに見られてしまうという。
「政治的な活動をしている人に『あいつは偉そうだ』と批判が飛ぶことは多い。大学時代、メディアに活動が取り上げられると『原田は偉そうなヤツだ』と言われた。一方で、部活に愚直に打ち込む大学生もいて、私は別にそういう人を否定しているわけでも、自分が偉いと思っているわけでもない」
「意識高い系」という言葉を使われて、どう感じたのか。原田氏は「自分は若者代表というわけでも全くないし、あくまで自分がやりたいことをやっているだけだ」と話す。
一方で「活動の先で、社会を変えられると思ってやっている。『自分とは別世界の人』と思われてしまうと、本当に活動が広がらない。」と現状を説明。
これに対し、ひろゆき氏は「話を聞いてほしい保守系の人たちに、どういうメリットがあるのかちゃんと話をすればいい」と助言。「区別されてしまうのは、話を聞いてほしい人たちに寄り添っていないからだ。若者の投票率が上がると、どういうメリットがあるのか。そういう話をすればいい」と話した。(「ABEMA Prime」より)
■Pick Up
・「ABEMA NEWSチャンネル」がアジアで評価された理由
・ネットニュース界で話題「ABEMA NEWSチャンネル」番組制作の裏側