オフにトレードで阪神タイガースから移籍し、今季は骨折しながらも満身創痍の状態でコンスタントに出場し続けている北海道日本ハムファイターズの江越大賀。江越は、開幕からこれまで、自慢の爆肩や好走塁でファンを沸かせてきだが、5月に入ってからは阪神時代からの課題だった打撃面でも、5年ぶりとなる本塁打に加え、そこから立て続けに2本塁打を放つなど、その本格覚醒を予感させる一面を垣間見せ、ファンの注目を集めている。
【映像】バットに当たれば飛ぶ! 日ハム・江越、ホームラン連発
これまで江越といえば、その恵まれた身体能力と、ガッツあふれるプレー、そして、ひたむきに取り組む練習量の多さなどから、首脳陣の評価が高い一方で、ボールをバットで捉えるコンタクト能力が課題であるとされ、阪神時代には、同じコースで三球三振という場面もあるなど、打撃の確実性という意味では、絶望的ともいうべき状態となっていた。
しかしながら、その抜群の身体能力ゆえに、ボールを遠くへ飛ばす力はかなりのものであったことから、江越がチャンスに打順が回ってくると、多くの阪神ファンは、ある意味、“ガチャ要素”であるとはいえ、その長打に期待するという、典型的な「ロマン砲」枠の選手でもあった。実際、日本ハムへと移籍した今季も、5月19日終了時点での江越の打率は197。3本塁打を立て続けに放ったといえ、その確実性という意味では、まだまだ長距離砲としての“本格覚醒”からは遠いといえるだろう。
しかし、昨季までの阪神時代と比べ、今季の江越には、覚醒を予感させる点がいくつも散見される。たとえば、5月7日にエスコンフィールドHOKKAIDOで行われた東北楽天ゴールデンイーグルズ戦では、たった2球で簡単に0-2に追い込まれながらも、そこから粘り続け、楽天の先発・荘司康誠に15球を投げさせるという脅威の粘りを見せて新庄剛志監督をニンマリとさせているし、2試合連続となった5月13日の千葉ロッテマリーンズ戦での本塁打も、5月16日の埼玉西武ライオンズ戦で放った放った今季3号も、甘く入った“抜けスラ”を的確に捉えてのものとなっており、課題であったコンタクト能力の向上という点では、明らかに結果を出しはじめていることが伺えるのだ。
なお、こうした江越の打撃について、野球解説者の里崎智也氏は、5月19日に放送された『バズ!パ・リーグ』(ABEMA)の中で、前出のホームランが“抜けスラ”を見逃さずに捉えたものであることを称賛した上で、「打てるところをしっかり打てるかがどうかが大事なんでね。そんな厳しいところはね、常にそんな打てるわけじゃないんで。自分の打てる甘く入ったところを仕留めれていければね、自信にも繋がりますしね。」と、江越の今後に期待する形でコメントしている。
(ABEMA『バズ!パ・リーグ』)