日本時間25日、6位ブライトンは首位マンチェスター・シティをホームに迎える。両クラブのプレミアリーグでの対戦成績はブライトンの1勝10敗と、シーガルズ(ブライトンの愛称)は今季のプレミアリーグ王者に対して非常に相性が悪い。ただブライトンにとってはこれが今季のホーム最終戦である。苦しい戦いが予想されるが、なんとか勝ちを手にしたいところだ。
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ペップvsデ・ゼルビ 世界最高峰の“戦術”対決
ブライトンは日本時間21日に行われたサウサンプトンとの一戦に勝利したことで、悲願であるクラブ史上初の欧州カップ戦への出場権を獲得した。ただこれはほんの序章に過ぎない。残る2試合で勝ち点を1ポイントでも確保すれば、すでに確定しているUEFAヨーロッパカンファレンスリーグ(ECL)より上位のカテゴリーである、UEFAヨーロッパリーグ(EL)への出場権を獲得することができる。ホーム最終戦となるこの試合で勝ち点を積み、多くのサポーターとともに喜びを分かち合いたいところだ。
だが、ブライトンはここにきて連戦による疲労の影響からか離脱者が続出している。ただ主力ウェブスターの復帰も近く、指揮官デ・ゼルビが「私の選手たちは非常にレベルが高い」とコメントしたように、ここまで乗り切ってきたシーガルズを考えれば、攻撃力のあるペップのチームに対しても十分戦うことのできる陣容だろう。
対するマンチェスター・シティは週末に優勝を決め、史上5クラブ目となるリーグ3連覇を成し遂げている。一時はアーセナルに大きくポイント差をあけられたものの、2月からリーグ戦12連勝と驚異的な追い上げを見せ、見事栄冠を手にした。なかでも注目は、両クラブの対戦で最多ゴールをあげているイングランド代表FWフォーデンだろう。先日プレミアリーグ史上最速で100勝を達成したマンチェスター・シティの至宝を中心に、優勝の勢いのままこの試合でも勝利を収めたい。
また、両クラブはどちらも優秀な指揮官のもとチームを作り上げてきた。数々のタイトルを獲得してきたマンチェスター・シティ指揮官ペップ・グアルディオラは言うまでもなく、シーガルズの指揮官デ・ゼルビもシーズン途中からの就任とは思えないような成績を残している。
この一戦を前にプレミアリーグ3連覇を達成したペップは「これから言うことに注目してください。ロベルト・デ・ゼルビは過去20年間で最も影響力のある監督の一人であると、私は確信しています」とブライトンの指揮官を大絶賛した。デ・ゼルビは「イタリアのペップ」と呼ばれる存在であり、選手たちだけでなく、指揮官同士の戦術のぶつかり合いにも注目したい。
三笘薫が“最強の敵”とマッチアップ
もうひとつの見どころは、何と言っても三笘薫の「プレミアリーグ1シーズンにおける日本人最多得点記録更新」だ。ただ日本代表FWはここにきて最も厄介な相手とマッチアップすることになるかもしれない。
相手は、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)でヴィニシウスを完封したカイル・ウォーカー。イングランド代表でも主力を務めるサイドバックは、強靭なフィジカルや圧倒的な対人能力の高さなど、世界トップクラスの守備を誇る。駆け引きが抜群に上手く、あえて近づき過ぎないことで自らの守備範囲に誘い込み、少しでも進入すれば身体を寄せてボールを奪い切る。スピードも速くスタミナもあるため、三笘にとってはマンチェスター・ユナイテッドのワン=ビサカと並んで、今まででもっとも手強い相手となるだろう。
一方でマンチェスター・シティはすでにプレミアリーグのタイトルを獲得していることもあり、この試合をターンオーバーで臨む可能性もある。それでも代わりに出てくるのがアカンジら対人戦に強い選手たちなため、三笘にとっては誰が出てきても難しいことには変わりない。
驚異的な得点力はもちろん、リーグ最少失点を誇る強固な守備力を兼ね備える王者マンチェスター・シティ。“最強の敵”を相手に、日本代表・三笘薫はどこまで輝きを放てるか。
文・小柳津諒(ABEMA/プレミアリーグ)(c)aflo