メイソン・マウント

 チェルシーを率いるフランク・ランパード暫定監督が、去就に注目が集まっているイングランド代表MFメイソン・マウントについて言及した。25日、イギリス紙『イブニング・スタンダード』やイギリスメディア『フットボール・ロンドン』などが伝えている。

 現在24歳のマウントは6歳でチェルシーのU-9チームに加入した下部組織出身選手で、フィテッセやダービー・カウンティへのレンタル移籍を経て、2019年8月にトップチームデビューを果たした。以降中心選手として活躍し、ここまで公式戦通算195試合出場で33ゴール37アシストを記録している。

 現行契約が2024年6月30日までとなっていることからチェルシーはマウントとの契約延長を望んでいるものの、ここまで新契約締結には至らず。これにより、来夏のフリー退団を避けるため、今夏の売却することが濃厚と見られており、マンチェスター・Uやリヴァプール、マンチェスター・Cなど多くのクラブが関心を示していることが明らかになっている。

 マウントの意向によって中断中となっていた契約延長交渉は最近再開されたものの、『イブニング・スタンダード』によると、最新のオファーは大幅な昇給に伴う1年の延長だった模様で合意には近づいておらず、交渉は難航していることが伝えられている。

 そんななか、レンタル移籍していたダービー・カウンティ時代からの愛弟子であるマウントについてランパード暫定監督がイギリスメディア『スカイスポーツ』で「これは難しい状況だと思う」と心境を明かした。

「なぜなら、メイソンは私が以前ここにいた時にいた選手たちと同様に、クラブにとって本当に重要な選手で、アカデミーに8歳くらいからいるから、ファンと真の関係を築くこともできている。そして、メイソンと同じような選手たちの中には他のクラブに行った人たちもいて、そこでいい成績を収めていたりもするので、彼らのキャリがうまくいくことを願ってはいる」

「特にメイソンに関しては個人的に思うところもあるが、何が解決策になるかはわからない。なぜなら、それはクラブとメイソンの問題だからだ。メイソンが個人的にどのような状況にいるのか正確にはわからない。契約は1年残っているしね」

「彼がクラブから高く評価されていることは知っているし、クラブが彼を残留させるためにできる限りのことをしようとしているのは知っている。でも、同時にメイソンのことも考える。今日のように選手が自分の目ですべてを見ることができるような状況で、選手に何をすべきだとは言いたくはない」

「昔なら、『なんでクラブを離れるんだ?』と聞いたりしたかもしれない。でも、現代では自分たちが前に進むしかない。そして今はそれが起きてしまうかもしれない状況となっている」

 なお、恥骨の問題で手術を受けたマウントは4月18日のレアル・マドリード戦を最後に戦列を離れている。すでにトレーニングは再開しているものの、試合に出場できるコンディションではないと見られており、5月28日に本拠地『スタンフォード・ブリッジ』で行われるニューカッスル戦も欠場することが予想されている。

 これにより、このまま出場することのないまま、チェルシーを離れる可能性が浮上しているマウント。すでに同選手のチェルシーでの最後の試合は終わったのかと聞かれたランパード暫定監督は「それは私が答えることではない。メイソンとクラブの問題だ」と語るにとどめた。

 当初は昨年9月に2028年夏まで契約を延長した同僚のイングランド代表DFリース・ジェームズと同じように長期契約をオファーしていたものの、マウントが長期契約の締結に躊躇したため、現在は短期契約でのオファーを提示していると見られているチェルシー。それでも、マウントとの交渉は賃金面などあらゆることで難航している模様で、今夏の退団が濃厚となっている。

 チェルシーの新監督に就任することが決定的となっているマウリシオ・ポチェッティーノ監督はマウントの残留を強く望んでいるようだが、果たして同選手は来シーズンどこでプレーすることになるのだろうか。