成田悠輔氏が「マイナカード口座誤登録」にアドバイス 「“原因の分別”と“ミスを前提にした議論”が必要」
【映像】成田悠輔氏「ミスを前提にした議論が大事」
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 政府が普及を推進するマイナンバーカードをめぐり、「他人の口座情報の誤登録」などトラブルが相次いでいる。一連のトラブルに関して、多くのIT企業と共同研究を手がけている、アメリカ・イェール大学助教授の成田悠輔氏に話を聞いた。

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■相次ぐマイナンバーカードのトラブルをどう考える?

「ある程度はしょうがないが、まずは起きたミスの種類を分けないといけない。今回は人為的ミスというより、人手が入らないといけないステップがあって、うっかりミスが発生した」(米イェール大学助教授・成田悠輔氏、以下同)

「それと別で、マイナンバーを使ってコンビニで住民票を発行した際に他人の情報が出た事例があるが、あれはどちらかというとシステムの設計側の問題だった。人がミスをしたというよりは、同じような人が別のコンビニで申請したときに、どっちを誰だと判定するかという『システムの設計に問題があった』と報道されている」

「この2種類は問題として全然別。マイナンバー関連の問題が起きたときに、何が原因なのかをまず理解するのが大事。その上で、人が入らないといけない局面がある限りは、ミスが一定割合発生するのはしょうがないと思う」

成田悠輔氏が「マイナカード口座誤登録」にアドバイス 「“原因の分別”と“ミスを前提にした議論”が必要」
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■改善策はある?

「今回の件で言えば、ミスを0に撲滅するというよりは、その件数や割合をどう減らすかという問題。職員の方のログイン・ログアウト操作が原因だとしたら、ミスを誘発しないような、ログアウトにちゃんと誘導するようなインターフェースの仕組みをどう作るかという話になる。ミスの頻度をどう減らすかの議論をしないとあまり意味はない」

――ミスを無くすことはできない?

「ミスを完全に0にするのはたぶん無理。なので、仮に間違った入金などが起きてしまった場合に、それをキャンセル(修正)できるような仕組みを作れるかどうかという点が問題になる」

「リスクやミス、コスト面ばかりが強調されがちなステージだと思う。少し寛容になって、多少のミスは発生する前提での議論が大事。政府側からすると、今はマイナンバーカードの問題点や危なっかしいところが目立つ局面なので、その先に来る便利なイメージをいかに具体的に出せるかが大事になってくる」

(『ABEMAヒルズ』より)

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