フランク・ランパード暫定監督

 チェルシーを率いるフランク・ランパード暫定監督は、来シーズンに向けてクラブのやるべきことは多いと語った。28日、イギリスメディア『スカイスポーツ』が伝えている。

 チェルシーのレジェンドであるランパード暫定監督は、グレアム・ポッター前監督が解任されたことを受け、今年4月6日に古巣の指揮官に復帰。今シーズン終了までとなる契約で就任したものの、低調なパフォーマンスが続いていたチームを立て直すことができず、公式戦11試合指揮で1勝2分け8敗に終わった。

 この結果、プレミアリーグで12位に終わったチェルシーは、プレミアリーグではクラブ史上最低勝ち点および最低得失点差に終わった。また、データサイト『OPTA』によると、勝ち点「44」に終わったチェルシーは、2部に降格した1987-88シーズンの勝ち点「42」以来の最少勝ち点となり、12位という順位は1993-94シーズンの14位に次ぐワースト記録となった。

 さらに、38試合で38ゴールに終わるなど、プレミアリーグではクラブ史上最低得点に終わるなど、多くのワースト記録を更新したチェルシー。新たな指揮官にはマウリシオ・ポチェッティーノ氏が就任することが決定的となっているなか、28日の最終戦ニューカッスル戦後(△1-1)、ランパード暫定監督は来季に向けて取り組まなければならないことが多くあることを明かした。

「私は監督としてのポチェッティーノの大ファンだ。彼は非常に優秀な監督だ。ポチェッティーノの歴史を見れば、彼がどれほどのレベルのクラブで働き、選手たちと強固なチームを作り、より多くの試合に勝ってきたか見ることができる。でも、こういったことは一夜にして起きるわけではないので、期待には少し注意する必要がある」

「やるべきことは多くある。これが6週間過ごした私の総括であり、これまで話し続けてきた基本的なところだ。現時点でこのクラブにとって基準は非常に重要で、全体として基準は大きく下がってしまっている。これが私の最後の試合だし、どうせあまり見られないだろうから、正直に言えるよ」

「チェルシーのようなクラブでは、集団としての基準が最大限に保たれていなければならない。そうでなければフィジカル的に十分な競争を得られることできず、プレミアリーグが要求している高いレベルのハイスピードでプレーすることはできない。楽屋で一緒になって、『僕はあなたの場所がほしい。君は僕のところがね』などとお互いを鼓舞し合って競争していなければならない。すべてのトップチームにそういったことはある」

「ここに来て、すぐにそれが十分ではないことに気づいた。もちろん、とても優れた監督が助けてくれるだろうが、全員が責任を負わなければならない」

 昨年5月に就任したトッド・ベーリー共同オーナーの下、新体制となったチェルシーは2回の移籍市場で6億ポンド(約1040億円)以上の大型補強を敢行したが、これにより30人以上の選手が在籍することになり、トレーニングをまともに行うことができず、出場機会の少ない選手たちを中心にチームの士気を上げることが難しくなっていた。

 ランパード暫定監督は「チェルシーにいて、このようなシーズンを過ごせば、明らかに改善すべき点はたくさんある」とスカッドの再編成を行ってから迎える来シーズンの巻き返しに期待を寄せた。

「次の指揮官にはプレシーズンが必要だと思う。私たちには十分なフィジカル的競争がない。それが私の強い意見だ。新監督はチームを必要な場所に導くことができるだろう。チームが大きすぎて、何らかの理由で幻滅している選手たちと協力しなければならないことが、ここに来ての最大の課題だった。そうした状況は今すぐにでも解決できるだろうし、そうするべきだ」

「一部の選手たちは(チェルシーでの将来について)しばらく気にしていて、それも問題の一部だ。クラブが彼らの退団を望んでいるのか、彼らが退団したいのか、その真相はわからないが、そのような関係に選手たちがいれば、このリーグで戦うことは難しい」

「(ニューカッスル戦後の)楽屋はかなり静かだったし、私がここに来てからずっと静かな楽屋だ。選手たちはおそらく休息に入ることに喜んでいるだろうね。彼らは今シーズンの責任を負わなければならないが、チェルシーの選手として必要な誇りと献身性を示すことができるかは彼ら次第だ」