マンチェスター・Uを率いるエリック・テン・ハフ監督が、イングランド代表DFハリー・マグワイアと元スペイン代表DFダビド・デ・ヘアの去就について語った。イギリスメディア『ザ・タイムズ』が同監督のコメントを伝えている。
現在マンチェスター・Uのキャプテンを務めるマグワイアにとって、2022-23シーズンは厳しいものとなった。チームは6月3日にFAカップの決勝戦を控えているが、プレミアリーグは3位で全日程をフィニッシュ。今季より就任したテン・ハフ監督の下で、2シーズンぶりにチャンピオンズリーグ(CL)出場権を手にし、カラバオ・カップ(EFLリーグカップ)では優勝も果たした。だが、主将はセンターバックでレギュラーポジションを失うことに。公式戦通算では31試合のピッチに立っているが、ターンオーバーを実施して臨むことの多かったヨーロッパリーグ(EL)で7試合、FAカップで4試合、カラバオ・カップで4試合という出場試合数となっており、プレミアリーグではわずか16試合の出場にとどまった。
2019年夏にレスターから8000万ポンド(当時のレートで約104億円)でマンチェスター・Uへ移籍したマグワイアは、現行契約が2025年夏に満了を迎える。今夏の退団も囁かれる中、テン・ハフ監督は現在の“世界最高額DF”の状況について「プレー時間の少ない現在の状況で満足できる人間などいない」と発言。一方で「彼にとっては良いとは言えない状況の中でも、常にトレーニングでベストを尽くしている。だからこそ、彼は現在の状況にもうまく対処できているのだろう。そのような姿勢で日々を過ごし、類まれなキャプテンシーを持つ彼は、間違いなく今のチームにとって重要な選手だ」と主張した。
その上で、テン・ハフ監督は「私は彼がここにいてくれて嬉しいよ。満足している。我々が彼を必要とした時、彼は自分にできる仕事をしてくれたのだから」と続け、来季のマンチェスター・Uにも居場所があることを示唆。「しかし、今後の去就については彼自身が下さなければならない決断だろう」とも話し、マグワイア自身が望むのであれば退団の可能性があると話した。
一方、デ・ヘアは今季もマンチェスター・Uの正守護神として活躍。昨シーズンに続いてプレミアリーグ全38試合でゴールマウスを守っただけでなく、プレミアリーグで最もクリーンシートを達成した選手に贈られるゴールデングローブ賞にも輝いた。一方で、テン・ハフ監督はデ・ヘアの足元の技術に満足しておらず、より自らの嗜好と一致したGKを確保する可能性も報じられている。実際に、デ・ヘアの現行契約は今夏で満了を迎えるが、現時点で新契約締結に関する公式発表は届いていない。
このような状況の中、デ・ヘアが来季もマンチェスター・Uに残るかどうかを聞かれたテン・ハフ監督は「もちろん。彼には向上してほしい部分はあるが、現に成長を見せてくれている」と回答。「ただし、マンチェスター・Uのようなクラブでは常にすべてのポジションに競争が存在するべきだ。彼が常に私のナンバーワンであるという保証はできない」とも述べ、来季の立場が決して安泰ではないことを示唆した。