ルイス・エンリケ氏

 ルチアーノ・スパレッティ監督の退任が噂されるナポリは、ルイス・エンリケ氏の招へいを検討しているようだ。30日、イタリア紙『ガゼッタ・デロ・スポルト』やイギリス紙『ガーディアン』が伝えている。

 今シーズンのセリエAで圧倒的な強さを見せつけたナポリ。開幕当初から順調に勝ち星を積み上げると、年明けまでリーグ戦無敗を維持。その後も首位を独走し、5試合を残してセリエA制覇を成し遂げた。同クラブにとっては、元アルゼンチン代表の故ディエゴ・マラドーナ氏在籍時以来、33年ぶり3度目のスクデット獲得となった。

 就任2年目のスパレッティ監督は、チャンピオンズリーグ(CL)でもクラブ史上初のベスト8進出を果たすなど、チームを大躍進に導いた。しかし、64歳の指揮官は現行契約が満了となる今シーズン終了後の退任を希望。現地時間29日にコヴェルチアノで行われたイベントに出席した際には、「私には休養が必要だ。とても疲れている。ナポリや他のクラブを指揮することはないだろう。1年間の休養を取る」などど語り、退任の意思を表明していた。

 そうした中、クラブはすでに後任を探しており、現在はエンリケ氏との交渉に着手しているという。現在53歳のスペイン人指揮官はローマやセルタを率いた後、2014年夏に古巣バルセロナの監督に就任。指揮した約3年間でラ・リーガを2度、CLを1度、コパ・デル・レイ(国王杯)を3度制するなど、数多くのタイトルをもたらした。その後はスペイン代表の監督に就任し、EURO2020ではチームをベスト4に導いたものの、昨年のFIFAワールドカップカタール2022ではラウンド16で敗退。大会終了後に退任が発表され、以降はフリーの状態が続いている。

 トッテナムからの関心も報じられているエンリケ氏だが、報道によると本人はプレミアリーグでの挑戦により強い関心を示しているとのこと。ナポリのアウレリオ・デ・ラウレンティス会長もそのことを念頭に置いた上で、エンリケ氏との交渉に臨んでいるようだ。なお、エンリケ氏のほかには、アタランタのジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督やフィオレンティーナのヴィンチェンツォ・イタリアーノ監督らの名前が、後任候補に挙がっている。