【石川界人・瀬戸麻沙美・久保ユリカ】「青春ブタ野郎」シリーズ声優が語る、「おでかけシスターの夢を見ない」の印象は?
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 累計発行部数250万部を超える鴨志田一氏の人気ライトノベル「青春ブタ野郎」シリーズ(電撃文庫刊)を原作にして、2018年にTVアニメ「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」が放送(2023年4月より再放送)、2019年には劇場アニメ「青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない」が公開された。

【動画】青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない

 その続編となる劇場アニメ「青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない」が2023年6月23日に公開となり、「青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない」の劇場公開も決定している。

 思春期特有の感情が「思春期症候群」と呼ばれる不思議な現象を引き起こすというファンタジー設定と、神奈川県の藤沢を舞台にして少年少女たちの心情を丁寧に描写したストーリーが魅力の本作。「おでかけシスターの夢を見ない」では、主人公・梓川咲太(あずさがわ さくた)の妹である梓川花(あずさがわ かえで)にスポットが当たり、彼女の進路をめぐる物語が展開していく。

 本記事では咲太役の石川界人と、咲太の恋人である桜島麻衣(さくらじま まい)役の瀬戸麻沙美、花楓役の久保ユリカインタビューを実施して、原作と脚本の印象について伺った。

――「おでかけシスターの夢を見ない」の原作や脚本にはじめて触れたときの印象はいかがでしたか?

石川:最初に原作を読んでいたのですが、これまでの「青春ブタ野郎」シリーズのお話と比べると、特殊なお話になっていると思いました。前作の「ゆめみる少女の夢を見ない」までのお話でいったん伏線の回収が終わり問題も解決してきた中で、咲太たちが残りの高校生活をどのように過ごすのかということが描かれるのが「おでかけシスターの夢を見ない」と「ランドセルガールの夢を見ない」になるのですが、思春期症候群の「思春期」という部分にフォーカスを当てているお話なのだなと。

――たしかに「おでかけシスターの夢を見ない」の原作は、花楓の進路に関することを中心に、丁寧な日常描写が多いと感じました。

石川:(これまでのシリーズ同様に)「思春期症候群」の部分にフォーカスが当たると超常現象的なことが描かれていくと思うのですが、おっしゃるとおり花楓の今後の進路を中心としたさまざまなことに対して、咲太たちはもう子どもではないのでいろいろなことを考えてしまう。その年代の子たちの心情に、すごくフォーカスを当てて表現していると思っています。(読者にとっても)その気持ちはよく知っている、共感ができるという広げ方なのかなという印象です。

――これまでのお話をベースにしつつも、フォーカスの当たる部分が違うという視点はファンとしても納得感があります。

石川:「おでかけシスターの夢を見ない」と「ランドセルガールの夢を見ない」の原作2巻分を合わせて、「思春期」と「症候群」を描いているという見方もできますよね。

瀬戸:なるほど!

――たしかにそうですね! 深く頷いていらっしゃいますが、瀬戸さんはいかがでしょうか?

瀬戸:これまでは咲太が周りの人たちを救おうとしていたお話のなかで、「かえで」と「花楓」の悲しいとも言えないし、これでよかったとも手放しでは言えないような出来事がありました。(「おでかけシスターの夢を見ない」が)その答えが見つかっていく過程のスタートのお話になっていると思いますので、劇場版で丁寧にじっくりと描かれていくのは嬉しいです。

 改めて脚本を読ませていただいたときに感じたのは、花楓や咲太の周りには、優しい人たちがこんなにもたくさんいたのだなということでした。

――麻衣の立ち位置も、これまでとは少し変わっていますよね。

瀬戸:ただ甘やかすだけではなくて厳しいことを言ってくれる大人たちや、寄り添ってくれる友だちのようなお姉さんのような存在がいて、ちゃんと相手を思いやれて寄り添ってくれている。花楓を中心としたお話が描かれることによって、今まで物語の真ん中で描かれていた人たちが周りにつくことで見えてくる魅力があると感じました。

――瀬戸さんのお話の中にもありましたが、TVシリーズを見ていた人にとって、かえでの人格がいなくなってしまった喪失感は、かなり大きかったと思います。

久保:TVアニメが終わった時点で、周りの結構な数の方から(かえでが消えてしまい)「とてもショックです!」と言われていたのですが、残念ながら、私にはどうすることもできないので、「ただただ、ごめんなさい!」と思っていました。「おでかけシスターの夢を見ない」では花楓自身がどういう女の子なのか、本来持っていた空気感や性格がわかりやすく描かれているので、花楓の世界がちゃんと動き出してちゃんと悩ませてくれていると感じました。

――進路に関する悩みは非常にリアルですよね。

久保:かえでから花楓に戻ったからハッピーエンドというわけではなく、ちゃんと花楓自身の人生について悩むことでこれからも人生が続いていくということが、よくわかります。本当に生きているのだということが、原作を読んでいて伝わってきましたね。

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 「青春ブタ野郎」シリーズの新たな劇場アニメで描かれるのは、花楓という少女の等身大の悩みと彼女を見守る人物たちの想いであることが伝わるインタビューとなった。思春期のリアルな悩みを描いた劇場アニメ「青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない」で、花楓がどのような人生を歩んでいくのか、ぜひ見守ってほしい。

「青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない」

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2023年6月23日劇場公開
【公式HP】https://ao-buta.com
【Twitter】https://twitter.com/aobuta_anime

(C)2022 鴨志田 一/KADOKAWA/青ブタ Project
取材・テキスト・写真/kato

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