6月11日にZOZOマリンスタジアムで行われたセ・パ・交流戦、千葉ロッテマリーンズ対広島カープの一戦で、ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平と並び、日本人最速となる165km/hをマークしたロッテ・佐々木朗希。そんな佐々木について、元・ロッテの正捕手で野球解説者の里崎智也氏が言及した。
【映像】“怪物”佐々木朗希がついに打ち崩された瞬間
この試合の5回表、2死一、二塁の場面で佐々木は、広島の9番・羽月隆太郎に対し、カウント1-2としてからの4球目、真ん中やや外寄り投じたストレートは、なんと165km/hをマーク。生憎、羽月にカットされて三振を奪うことはできなかったものの、佐々木は大谷と並び、“最速の日本人投手”という実力を披露した。
6月16日放送のABEMA『バズ!パ・リーグ』では、佐々木によるこの“日本人最速のストレート”を紹介することとなったが、こうした佐々木のスピードについて里崎氏は、6月10日にベルーナドームで行われたセ・パ交流戦、埼玉西武ライオンズ対東京ヤクルトスワローズの一戦で、交流戦最多となる通算28勝目をマークしたヤクルト・石川雅規を引き合いに出す形で「この日、(石川は)だいたい真っ直ぐは130km/hぐらいで。この巧みな変化球。制球力。っていうところですよ。佐々木朗希とは対照的に、この技巧派ピッチングで、なんと(通算)185勝。あと15勝で200勝。」と、佐々木のような剛速球を投げられるわけではないにもかかわらず、老練ともいえるピッチングで、石川が今もなお、ヤクルト投手陣を支えながら、大記録に迫っていることを指摘。そうした上で里崎氏は「ストレートね。そら、球のスピード、速いにこしたことないです。出るにこしたことないです。(165km/h)出たらすごいですけど、じゃあ、出なかったらダメなのかって言ったときに、出なくても自分のスタイル・技術を組み立てて、それで戦っていければ、185勝ね。もうすぐ200勝もできるっていうところで。これは、多くの子供たち、多くのアマチュア指導者の、良い手本になる。」と、佐々木のような剛速球が投げられるのであれば魅力的ではあるものの、たとえそこまでの剛速球を持っていなくても、石川のような形で大記録を打ち立てることも可能であると指摘した。
また、里崎氏は、「だってWBCのチェコのピッチャー見てくださいよ。120km/h台で、(日本代表も)三振してましたから。そう考えると、速いにこしたことないんですよ。でも、速くなけりゃダメなのかというと、そうでもないんで、自分の今持ってるスキルの中で、自分の結果を見出せるように、スキルアップしていくと、どんなタイプでも、大投手になれますよ、ということです。」と、すべての投手が、佐々木のような剛速球を投げられるように無理をするのではなく、あくまで「様々な投手がいる」という前提で、いかに自分に合ったスタイルと可能性を見出し、技術を磨き、そして結果を出していくかということの方が大切であると力説した。
(ABEMA『バズ!パ・リーグ』)