「俺たちだって、"どうしても"子どもが欲しいんだ!」話題の「精子凍結」メリットとデメリット 費用は高額なのか?
【映像】「受精卵の凍結」とは?
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 卵子凍結が一般的になりつつある中、将来、子どもができにくい体になってしまったときのため、精子を凍らせ保存する「精子凍結」が注目を集めている。人気YouTuber「はじめしゃちょー」も先日、将来を不安に思い、精子凍結を行ったことを自身の動画で報告。動画は300万回以上再生され大きな反響を呼んでいる。

 精子凍結はどのような人に適していて、デメリットはあるのか。精子凍結の施術も行う、泌尿器と男性不妊のクリニック、寺井一隆院長に詳しく話を聞いた。

【映像】「受精卵の凍結」とは?

 精子凍結は、精子を-196度で凍結し、半永久的に冷凍保存することが可能。将来、精子の力が弱まることが想定される場合、今の状態の精子を保存することで、受精の可能性を高める効果が期待できるというが、どのような人が行うのか?

「不妊治療の際に行われている。体外受精をする際に、採卵のときに旦那さんが出張で不在の場合や、タイミング的にどうしてもその日に取った精子を持ってこれないという方など。予定が合わないとわかっていれば、あらかじめ精子を凍結しておき、その精子で体外受精することができる。

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また、ガン治療の前に“自分の子どもを作る能力”を温存・保存しておきたい人などが行っている。ガンの治療が正常な精子に影響を及ぼしてしまうため、治療前に凍結させるのは有効な手段になる」(泌尿器と男性不妊のクリニック・寺井一隆院長、以下同)

 年齢も1つのポイントで、「男性の年齢が上がると精子の数や運動率が落ちていくことは明らかで、自然妊娠しにくくなることは間違いない」と寺井院長は話す。

 デメリットはあるのだろうか?

「凍結するとだいたい40~50%の精子がダメージを受けて死んでしまうと言われている」

 金銭面でも、精子の凍結にかかる費用だけでなく、長期保存する維持費も必要になる。さらに、受精のために一度溶かした精子は使いまわすことができないため、何度も受精を希望する場合には複数に分けて保存する必要があり、その分の維持費もかさむ。

 また、精子単体や卵子単体を凍結保存させるより、受精卵として凍結保存させた方が妊娠の確率は高くなるという。

「俺たちだって、"どうしても"子どもが欲しいんだ!」話題の「精子凍結」メリットとデメリット 費用は高額なのか?
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「精子と卵子はそれぞれが“シングルセル”という1個の細胞で、それを凍結させるとどうしてもダメージを受けてしまう。未受精卵もシングルセルなのでダメージを受けやすい。凍結したものを戻して受精させる際の妊娠率を見たとき、どうしても未受精卵の凍結より受精卵の凍結のほうが妊娠する成績は良い」

 すでにパートナーがいて妊娠を望む場合は、受精卵にしてからのほうが妊娠の成功率は高くなるという。

 また、将来に不安がある人にとって、精子凍結は一つの保険になるのだという。

「事故に遭ってしまいなかなか射精ができなくなったり、無精子症、精子の状態が悪い人もいる。それらを考えると精子凍結は全く無駄ではないかもしれない」

(『ABEMAヒルズ』より)

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