「タンポンや月経カップは?」議会で男性課長に“生理用品”質問はセクハラ? 杉並区議のブログに反響「恥ずかしいと思う人も」
【映像】「タンポンや月経カップは?」黙ってしまう男性職員(イメージ図)
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 13日に杉並区議会で開かれた災害対策・防犯等特別委員会におけるやり取りが、話題になっている。

【映像】避難所で生理用品が不足…益若つばさら女性陣が気づいたこと

 台風被害に関する答弁の中で、女性が「避難所に生理用品は置いてあるのか?」と質問すると、男性課長は「一般的な生理用品は用意してある」と回答。女性が続けて「タンポンや月経カップなどは用意していないのか?」と質問すると、具体的な生理用品名を挙げられた男性課長は、しどろもどろになった。

 この会議に出席し、やり取りを見ていた杉並区議会議員の小林ゆみ氏は、自身のブログで「杉並区職員、傍聴者、合わせて50から60名がひしめき合っており、その中で1人起立させて、生理用品のことを答えさせる。これはセクシャルハラスメントに当たるのではないだろうか」と発信。問題提起した。これに、Twitterでは「災害時に必要な物資の備蓄を行政に尋ねるのがなぜセクハラになる?」「質問の内容より、大勢の前でつるし上げにしたことがセクハラ」などの意見が殺到。

 はたして、生理用品についての質疑は男性へのセクハラに当たるのか。ニュース番組「ABEMA Prime」に出演した小林区議は「私だったら聞かない。公の場ではないところで頼む」と話す。

「公の場でこうやって生理のことを話す自体、私は恥ずかしい。そういう女性がいることも知ってほしい。男性ならさらに恥ずかしいと思う人がいるだろう。もし私が杉並区に対して『防災備蓄品に生理用品を充実させてほしい』と思った場合は、後日課長・部長に電話をして『ちょっと検討してほしい』とお話する。議会は誰が何を言ったか、議事録という形で残る。大勢の前で、そういう発言を残させるのは酷なのではないかと思い、発信した。もし担当者が女性でも、デリケートな問題であることに変わらない。具体的な商品名を出す必要はないし、もう少し言葉を濁しても良かったと思う」

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 会議では避難所の水害や避難者数の報告を聞いた後に、生理用品の話が出たという。小林区議は「台風の被害の話の中で、雰囲気が変わってこの質問が出てきた。課長さんもびっくりしていた」と状況を説明する。

「女性でもこういった話題が平気の人もいれば、嫌な気持ちになる人もいる。実際、委員会で質問が出たときに下を向いた女性や男性がいた。“やめて”と思っていたのではないか。気遣いは大事だ。確かに、時代の流れから、生理の話がしやすくなっている傾向はあると思う。保守派の中でそういう動きがあることも承知している。ただ、私としては『ちょっとな』と思っている。フェムテックやセルフプレジャーは、人前で話すことなのか。話したい人は話せばいいが、私は参加したくない側で、あまり入らないようにしている」

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 モデルの益若つばさは「性に関する知識は、人によって差がある。知識マウントではないが『そんなのことも知らないのか』と聞くのは、私はちょっと違うと思う。今までこういう話をしてこなかった男性もいるし、生理の話を公の前でするものではないと思う女性がいるのは仕方がないことだ」とコメント。

「この答弁に関して、私はセクハラとは思わない。なぜなら、生理用品は私たち女性からしたら、トイレットペーパーと同じで、備品だ。ないと困るし、“あって当たり前”にしておかないといけない。必要な会議だと思うが、わざわざ知識のない男性を1人で立たせて、議会でつるし上げる必要はない。やり方は他にもあったと思う。一個ずつ前向きに検討していかないと、いつまでたっても『生理用品は恥ずかしいもの』のままだ」

 エンジニア・タレントの池澤あやかは「生理の話を『クローズドの場でしかしたくない』というマインドを持ち続けていると、男性の上司に『生理休暇を取りたい』となかなか言えない。もう少しオープンに話せるような空気感を社会が醸成していったほうがより生きやすいと私は思う」と話す。その上で「生理休暇ではなく、普通に『体調不良で』と言う人もいるが『毎回この人、体調不良になってどういうこと?』と思われる。『セクハラだ』と言ってしまうと、ますます話せなくなってしまわないか」と投げかける。

 ライターのヨッピー氏は「セクハラかどうかの議論は、まず当事者に聞かないと分からない」と指摘。

「担当課長が『これは嫌だ。セクハラだ』と思ったらセクハラだ。しどろもどろになっていた理由がセクハラなのか、知らない質問をされて戸惑ったのかどうか分からない。課長に話を聞いてから、杉並区議会で今後のガイドラインを作っていくことが建設的だと思う」

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 経済学者・慶応大学名誉教授の竹中平蔵氏は「議会は答弁を公式記録として残すところにものすごく意味がある」と話す。

「ただ、スマートにやるなら『詳細については後で書面で出してほしい』といったやり方がよかったと思う。議会はどこもだいたい“つるし上げ”だ。課長も詳細を知らなければ『細かいことは分かりかねるので、書面で回答させていただく』と言えばいい話だ」

 性教育に関してどこまで教えるか、学校によってバラつきがある。竹中氏は「参議院の予算委員会で性教育をどこまで教えるべきか、かなり際どく議論されたことがある」と述べる。

「テレビで見て『ここまで言うのか』と思った。その時、こういった問題は一切出なかった。国会や議会などの議論に蓋をするのはよくない。国会議員の場合は、免責特権がある。国会で何を議論しても、後から名誉毀損は一切問われない。これが民主主義を守るための基本ルールになっている。それでも、一種の節度は当然必要だ」

(「ABEMA Prime」より)

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