「私が何百枚イエローカードを出したか」熟年離婚を切り出された夫の後悔
【映像】熟年離婚の原因ランキング ベスト3(画像あり)
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 離婚件数が年々減少傾向にある一方、増えているのが熟年離婚だ。2020年、20年以上同居した夫婦の離婚率は21.5%と過去最高を更新。その後もほぼ横ばい状態が続いている。

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 芸能界でも5月、タレントの香坂みゆきと清水圭の離婚が、6月には女優の田中美佐子とTake2の深沢邦之が報じられた。

 一方で、熟年離婚をして「よかった」と思う人ばかりではない。3年前に熟年離婚した佐藤さん(男性60歳・仮名)は「後悔しかない」と口にする。結婚30周年を迎えたその年、突然、妻から別れを切り出された。

「僕が『いきなり1発レッドカードかよ』と冗談で言うと『サッカーはイエロー2枚でレッドだけど、私は今まで何十枚、何百枚あなたにイエローカードを出したか分からない』と言われた。うちは息子が2人ともサッカーをやっていて、妻がよくサッカーの用語で話をした。これは真剣だなと思った。“当たり前”は当たり前じゃなくなってからじゃないと、本当に気が付かない。これはどうしようもない話だ」

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 離婚はどのように告げられたのだろうか。

「家族の中で節目があった。2人の息子が就職、そして結婚をした。2人きりの生活になって、たまたま早く会社から帰った時に、離婚を切り出された。対外的には円満離婚という形に見えるようにしている。後悔していると正直に話したのは今回の番組出演が初めてだ」

 離婚を切り出された時は「なぜだろう」と原因を自分で探ったという佐藤さん。浮気や金銭的な問題はなかった。

「出ていたイエローカードに気が付かなかった。これは後悔しようもない。30年間、どの部分にどのくらいあったのかが分からない。そこはリアルに自分で反省はしている」

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 一人になった今の暮らしについて、佐藤さんは「自由で快適だと思う。妻といた時は口うるさく『早く寝ろ』や『あまり酒を飲むな』と言われた。今はもう周りがイエスマンばかりなので、自分の好きなことをずっと続けている」と話す。

 一方で、健康面や人間関係には不安な部分もあるという。

「30年連れ添った妻がいつも私を見てくれて、健康面や人との付き合い面でもアドバイスをくれた。その存在がいなくなった途端に、裸の王様みたいになった。再婚も選択肢にあったが、今はただ、30年間一緒に暮らしていた妻の代理は誰にもできないと、改めて感じている。離婚して反省して気が付いた」

 一時は「謝って元に戻れるなら」と思った佐藤さん。「最近は私というストレスがいない状況で、妻が楽しく暮らしているのであれば、そのままにしておいたほうがいいかなと思うようになった」と述べる。

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 佐藤さんのケースに、夫婦問題研究家の岡野あつこ氏は「妻のありがたみが今になってすごくよく分かったことが痛切に伝わる。もっと早く気付けばよかったが、本当に一生懸命働くことが全てだと思ってしまう熟年の人は多い。『俺は家族のために一生懸命稼いでいる』が一番になって、妻を労ったり感謝がない。妻のほうで『この人にいくら言っても直らないんだな』とレッドカードになってしまう」と話す。

 岡野氏によると、離婚をせずにお互い別々に暮らす“卒婚”も急増しているという。その上で「逃がした魚は大きいではないが、健康を心配してくれる人がいないと、男性の寿命も短くなる。佐藤さんも気を付けてほしい」と気遣った。(「ABEMA Prime」より)

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