HJ文庫(ホビージャパン刊)の「夢見る男子は現実主義者」のTVアニメが、2023年7月3日(月)より放送中だ。
同じクラスの美少女・夏川愛華(なつかわ あいか)に熱烈なアプローチを繰り広げていた主人公の佐城渉(さじょう わたる)は、ある出来事をきっかけに両想いになろうという夢が醒めてしまい、愛華と自分が釣り合わないという現実を直視するように。急激に態度が変わった渉に対して、愛華は嫌われてしまったのではないかとモヤモヤして……。
そんな「両片想い」な2人を中心とした青春ラブコメとなる本作にて、渉役を演じた宮瀬尚也と愛華役の涼本あきほにインタビューを実施。本作を初めて知ったときの印象やアフレコ現場での掛け合いのエピソードを伺った。
――「両片想い」という渉と愛華の関係性が中心となる本作ですが、物語の最初の印象はいかがでしたか?
涼本:キュンキュンとしつつも「私がこの世界にいたらめちゃくちゃ2人の背中を押すのに!」って思いました。ラブコメディということでポップな感じで進んではいくのですが、渉も愛華も真剣に悩んでいるところもあって、そういう一面を見ていると「頑張れよぉー!」と(笑)。
宮瀬:原作を読んでいると最初はコメディ要素が強いのかなと思っていましたが、しっかりとラブストーリーもあり、読み進めていくうちに繊細なやりとりが繰り広げられていって。渉の一人称を中心に重くなりすぎず進んでいくので、バランスが取れているなと思いました。
――すれ違ってしまう渉と愛華は掛け合いが肝になってくると思うのですが、アフレコはどのように進められたのでしょうか?
涼本:3〜4人ずつでの分割収録になりましたが、現場の皆さんが掛け合いの空気感をとても大事にしてくださいました。特に渉は、まず愛華や(芦田)圭と話すシーンを収録してから、ほかの女の子たちと話すシーンを収録するという……すごく面白かったのが、宮瀬君が5時間くらいずっと現場にいて、代わる代わる違う人と一緒にブースに入って行って(笑)。
宮瀬:全編通してずっと現場にいるという(笑)。もちろん換気や休憩を挟みながらですが、僕以外が入れ替わっていく収録でした。
――作中の渉のように、東屋に行ったり生徒会室に行ったりするような感じですね(笑)。
宮瀬:スケジュールによっては(脚本の頭から順番にではなく)バラバラに収録することもあったので、情緒も行ったり来たりでしたが、頑張って演じました!
涼本:素晴らしい! アフレコしていた時、夕日見てないよね?
宮瀬:(スタジオに)入ってから、出て行く時はもう真っ暗で。おかげさまで現場の皆さんと会話できたので、主人公としてありがたい収録でした。
――掛け合いの中で「これは!」と思った演技はありましたか?
涼本:渉は、彼の中では愛華のことを考えた上でちょっと距離をおくような発言をしていくのですが、そのことを私は知っている状態でも宮瀬君が演じる渉の声を聞くことで、ちゃんと冷たく感じてしまって。「あっ、なんかちょっと悲しいかも……!」と第三者として感じられる部分もあり、言葉ひとつひとつの受け取り方で開いてしまう渉との距離感を実感できました。一緒に収録できてよかったなと思います。
宮瀬:そういう微妙な空気感は、やっぱり隣に実際にいてくれた方が感じ取れます。(すでに収録された)音声は流してもらえますが、実際に生のやりとりじゃないとやりづらくはなってしまうので。
――渉も愛華のことを女神やアイドルとして奉るように振る舞ったかと思うと、愛華の言動に引いちゃうところもあり、その絶妙な距離感のあるやりとりが面白いと感じていたので、収録のお話を聞いてリアルさに納得できました。
涼本:渉は現実主義者として彼なりの現実を見つつも愛華に一途でいてくれますが、決して盲目的になっていないところが、この作品ならではの主人公の在り方だなと思いました。私としては愛華の味方でいたいので「ぐぬぬ!」と思いながらですが(笑)。
――完全に夢から覚めたというよりも、渉の中で普通であろうとする第三者視点を持ったゆえの言動ですよね。
宮瀬:それ(渉の視点)がほぼ勘違いと言いますか、「そんなことないよ!」ということばかりですけれど(笑)。
本インタビューで、繊細な感情を演じる上で、どのようにアフレコが行われていたのかというエピソードを聞くことができた。渉と愛華のそれぞれの考えがすれ違ってしまうさまに注目して、放送を楽しんでほしい。
「夢見る男子は現実主義者」
7月3日(月)26時より、テレビ東京系ほかにて放送中
【公式HP】https://yumemirudanshi.com/
【Twitter】https://twitter.com/yumemiru_anime
【ネット配信】https://abema.tv/video/title/189-53
(C)おけまる・ホビージャパン/『夢見る男子は現実主義者』製作委員会
取材・テキスト・写真/kato