将棋の藤井聡太王位(竜王、名人、叡王、棋王、王将、棋聖、20)に佐々木大地七段(28)が挑戦する伊藤園お〜いお茶杯王位戦七番勝負は7月7日、愛知県豊田市の「豊田市能楽堂」で第1局を行い、佐々木七段が36手目を封じ手指し掛けとした。佐々木七段にとっては2日制タイトル戦は本局が初。開幕局で封じ手を経験することとなり、やや緊張した表情を見せていた。
【映像で見る】弟子の“初・封じ手”に大慌てでツッコミを入れまくる深浦九段
現在藤井王位に挑戦中の佐々木七段は、本七番勝負が2期目のタイトル戦。同時並行して行われているヒューリック杯棋聖戦五番勝負は持ち時間4時間の1日制タイトル戦とあり、王位戦の持ち時間8時間・2日制は未知の領域となっている。ABEMAの中継には、佐々木七段の師匠で王位3期の経験を持つ深浦康市九段(51)が出演。開幕前には持ち時間の使い方や封じ手などの事前指導を行っていたというが、終始緊張した面持ちで弟子の一挙手一投足を見守っていた。
ダブルタイトル戦期間に突入と多忙を極める時期に加えて、師匠の深浦九段自身も公式戦対局に各種公務をこなす日々。口頭での説明は行っていたものの、なかなか実地練習とまではいかなかったとあり、「第1局は藤井王位(の封じ手の所作)を見て学んで」と伝えていたことを明かした。しかし、午後6時には、佐々木七段の手番で封じ手の時刻を迎えることに。立会人の石田和雄九段(76)から定刻を告げられると、約5分の考慮ののち次の手を封じる意志を示した。控室での封じ手記入に向かった佐々木七段だが初めての記入に手間取ったか、なかなか対局場に戻らない。深浦九段は「ちゃんと書けていますかね…大丈夫かな」と心配そうに中継を見守っていた。
無事に記入を終えて対局場に戻った佐々木七段だったが、相手のサインを入れてもらう前に立会人に手渡してしまうハプニングが。すると深浦九段は「違う違う!そっちじゃない!今のは佐々木が悪かった!石田先生、すみません~」と大慌てでツッコミを入れ、立会人の石田九段に向けて画面越しに平謝りしていた。聞き手を務めた室谷由紀女流三段(30)は、「立会人を通して藤井王位に渡すのかなと思われていたのかもしれないですね!」とフォローを入れていたが、「もう本当すみません、直接対局者にお渡しするのが正解です…後で言っておきます」と大汗をかいていた。
封じ手を見守った深浦九段は「ハラハラしましたね~」と佐々木七段以上に大緊張した様子。「初めての封じ手は、50点かな…。もうちょっと手際良くね~」と辛口の評価を送っていた。弟子を見守り大慌ての深浦九段の様子に、ファンも同様にハラハラしたようで、「師匠も落ち着いて」「ドンマイよ!」「師匠厳しいよ~大丈夫大丈夫!」のコメントも。佐々木七段初めての封じ手に対しては「微笑ましい」「大地頑張ったよ」「初々しくて良いじゃない」「楽しいハプニングです」など労いの声が多数寄せられていた。
(ABEMA/将棋チャンネルより)