障がいのある・なしに関係なく、みんなが一緒に楽しめる「ユニバーサルビーチプロジェクト」が注目を集めている。
『ABEMAヒルズ』では、神戸市の須磨ビーチを拠点に障がいを持つ人たちのサポートを行う、NPO法人須磨ユニバーサルビーチプロジェクトの木戸俊介代表に話を聞いた。
「(主な活動は)ビーチマットを敷き、水陸両用車椅子を使って一緒に海に入るサポートをすること。できてなかったことをチャレンジして達成するきっかけづくりをサポートしている」
8年前、交通事故に遭い、車椅子生活となった木戸代表。リハビリで訪れたオーストラリアのビーチが活動のきっかけになったという。
「オーストラリアのゴールドコーストにリハビリ留学に行った際、ビーチマットや水陸両用車椅子などのユニバーサルビーチに出会い、『日本のビーチでもこういう体験をしてもらいたい』と思って須摩で始めた」
木戸代表が話すユニバーサルビーチとはどういったものなのか。
「車椅子などの障がいがある場合、ビーチマットや海まで続いている道が整備されていてアクセスできるかどうかが大事なポイント。そこにサポートする人、声掛けができる人、一緒に入って楽しい仲間がいるなど、そういうのがユニバーサルデザインのビーチの定義の中で大事な要素だ」
新型コロナウイルス流行前の2019年には、全国で数千人の障がいを持つ人がプロジェクトに参加している。
「(海が)初めてで冷たくて、水かかってしょっぱくて泣いている子もいたが、しばらくすると家族と入りながらゆらゆらと寝ていた。障がいがある人は喜怒哀楽を我慢することが多いので、海に入るチャレンジでドキドキ、ワクワク、ハラハラ、気持ち悪いも含めて爆発させられる。それにはすごく価値があるし、見ていて一番やっていてよかったと思う瞬間だ」
それでも木戸代表は、ユニバーサルビーチを広めたい一方で“ジレンマ”も抱えていた。
「ユニバーサルビーチプロジェクトなんか無くなればいいと思っていて、そんな活動がなくてもみんながふらっと(海に)行って、自分たちで海に入れて、着替えやシャワーをして帰っていけるっていうのが一番いいと思っている。しかし、そういうのが普及したり文化になるっていうほどではないと思うので、もっともっと増やしていって、都道府県(ごと)に1カ所はユニバーサルビーチっていうのを持続可能な運営ができているところを増やしていきたい」
実際にこの取り組みを広げていくのは難しいのだろうか。スポーツの専門の世界ゆるスポーツ協会代表・澤田智洋氏に聞いた。
「最近顕著なのが、マイノリティと言われている障がいがある人やLGBTQなどの方々を起点にしたものや、そういう方々に向けて何かを作るという動きが活発になっている。昭和や平成時代の企業は儲からないという理由でマイノリティに対してのニーズを見逃してきたのだが、今はあらゆる人の基本的なニューズは満たされているので、そういう取りこぼしたところに企業が着目して何かを始めると、生活者や投資家も支援するようになるのではないか」
(『ABEMAヒルズ』より)
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