時代の変化とともに、子を持つ親の働き方や家族のかたちなども変化している。NTTデータ経営研究所・NTTコムがリサーチした「真っ先に解決したい子育ての課題」の調査結果で、現在の親世代の悩みが見えてきた。
子育ての課題として、「真っ先に解決する必要がある」「できれば解決したい」の回答を合計した割合は以下のとおりだ。
・身体的負担(疲労感)が大きい 67.9%
・家事の負担が大きく時間的余裕がない 65.0%
・子供をずっと見ていなければならず安らぐ時間がない 59.2%
・子どもの発育や子育てについて相談できる人がいない 46.0%
政府の「こども未来戦略会議」に参加した、株式会社ジーンクエスト代表取締役・高橋祥子氏に話を聞いた。
「私も子どもを2人育てているが、下の子がまだ赤ちゃんで、夜泣きがあるので常に眠い。昔は子育てに携わる人、家族が多かったので負担が分担されていた。しかし、今は子育て世代の9割程度が核家族で、少ない人数に身体的な負担がかかってしまう環境になっていると思う」(以下全て、高橋氏)
その一方で、家事代行や子供の一時預かりなど、子育て関連のサービスの利用度は芳しくない。その理由として、「費用が高い・高そう」が突出して高い割合だという。
期待する声としては、「とにかくお金がかかるので行政に負担してほしい」「LINEなどのSNSを活用し、より身近なサービスを周知してほしい」などがあげられている。
――子育ての負担を軽減するサービスは利用しているか?
「家事代行や子供の一時預かりなどもよく利用している。今は費用が高い、高そうという声があるが、費用を補助する自治体や企業の取り組みも増えてきているので、それらの制度を調べて使っていくといいのではないか。また、金銭面以外にも、なんとなく『子どもは母親が見なければいけない』『ご飯は母親が作らないと愛情がないと思われる』といった、心理的な障壁もある気がする」
――こども未来戦略会議ではどのような意見を出したのか?
「現金給付や育児支援の話は結構議論されていていいことだと思うが、支援を続けるには財源が必要なので、根本原因である日本の社会構造を変えていこうと意見した。他の国では女性が働くほど家計が安定するので出生率も上がる傾向にあるが、日本は“超長時間労働社会”なので、女性が働くほど出生率が下がっている。なので、育児支援だけではなく、そもそもの働き方改革を国全体で行う、賃金の底上げなどとセットじゃないと、給付をしても効果は薄い」
(『ABEMAヒルズ』より)