「体臭や口臭が我慢できない…」脱マスクで“敏感鼻”に? 自分のニオイに悩む人も
【映像】体臭の悩みが相談できるカフェ「ゆあのあ」(店内の様子)
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 コロナ明け初となる夏を目前に、Twitterではニオイに悩む声が寄せられている。

【映像】Twitterで大バズり 家でできる簡単なニオイ対策2選(画像あり)

「酒臭い酔っぱらいが地下鉄に乗ってくるようになった。コロナ禍は本当に臭くなくて快適だったのに」
「最近、職場の男たちのニオイが我慢できない。コロナのときはよく換気をしていたので、気にならなかった」

 40代女性・サエコさんも“職場のニオイ”に悩まされている一人だ。

「マスクをしないままの会話が増えて、飲み会も解禁された。特に気になりだしたのは口臭だ。あとは、洗濯の部屋干し臭、汗をかいたあとの体臭などだ。自分がマスクをしていないと、ニオイがダイレクトに鼻に入ってくる。そのせいか、ここ数年よりもより強く感じて『うっ』となる」

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 脱マスクが進んだことで、よりニオイが気になるようになったサエコさん。今年3月、岸田総理はマスク着脱について「個人の判断に委ねる」と発言。さらにコロナが5類感染症に移行されたことでイベントなども復活したが、サエコさんは「むしろ過ごしやすかった」と話す。

「まず自分がマスクをしていたのと、周りの方も基本的にマスクだった。ソーシャルディスタンスだから、ある程度の距離も保たれる。あまり近くで話すこともなかったから、気になりにくかった」

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 鼻がいいサエコさんは「前日食べたもので胃の調子が変わったりする人もいると思う」とした上で「私の場合、にんにくを食べたり、お酒やコーヒーを飲んだ人が近くに寄って会話されると、影響が出やすい。仕事は基本デスクワークだから、近くに来られたら避けられない。自分でマスクをしっかり付けて仕事をしている」と述べる。

 一方で、中には自分のニオイに悩んでいる人もいる。東京・東久留米市にあるカフェ「ゆあのあ」は“体臭で悩んでいる人が気楽に集まれる”をコンセプトに今年4月のオープンしたばかりの少し珍しいカフェだ。

「体臭や口臭が我慢できない…」脱マスクで“敏感鼻”に? 自分のニオイに悩む人も
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 一見普通のカフェのように見えるが、カフェ利用者に話を聞くと「過敏性腸症候群(IBS)があって、ガス症状で悩んでいる」「20年ほど体臭全般について悩んできた。ニオイを自分の知人・友人もしくは知らない方に言われたこともある」など、それぞれに切実な悩みがあった。

 ある男性は「体臭で悩んで自殺未遂もした」と打ち明ける。

「もう30年以上悩み続けたが、30年間恥ずかしくて誰にも言えなかった。親にも言えなかった。彼女にも言えなかったし、お嫁さんにも言えなかったので、それをパッと言えるのはすごくいい場所だと思う。今までこういう場所は一切なかった」

 カフェの店主、中道亜希子さんも体臭に悩み続けた当事者だ。

「中学2年生のときにワキガだと気づいた。ずっとニオイで悩んできて、高校のときに手術もしたが、周りの反応が変わらなかった。『自分は臭いまま治っていない』と思ってずっと生きてきた。去年Twitterを始めて、同じように悩んでいる人がいっぱいいることを知った。特に学生さんで自分のニオイをきっかけに『死にたい』『消えたい』とつぶやいている人がすごく多いことにビックリした」

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 欧米やアフリカ系の人などは個性の1つとして「体臭は当たり前」と受け止められる傾向がある。一方で、アジア系は「体臭はマイノリティ」と受け止める人が多い。

 ニオイの治療は現在の医療で可能なのか。

 中道氏は「ワキガなら手術があるが、手術しても100パーセントは治らない。手術後に再発する方もいる。うちのお店では術後臭といって、手術後に別のところからニオイがしたり、発汗があったりして、それで苦しんでいる人も多い」と話す。

「うちのお店に来てくれる人はニオイの自覚があって、悩んでいない人の何十倍も時間やお金をかけて努力をしている。朝早くからシャワーを何回も浴びて、着替える。制汗剤も全部使って、サプリも飲む。病院も行って、検査や手術もする。それでも『臭い』と言われると、すごく傷つく。不可抗力で自分にはどうしようもない。会社にも学校にも行けなくなってしまう」

 カフェを開いたことによって、何か変化はあったか。

「カフェに来てくれた人は自分のつらい経験、人に言えないことをみんなで共有しながら声に出せる。『ああ、私も同じだよ』と周りが受け入れるから、お客さんも『こんな自分でも生きてていいんだ』と思える。お店を開いて本当によかったと思っている」

(「ABEMA Prime」より)

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