鮮やかな打ち下ろしのパウンドで圧巻のKO勝利。さらにコーナーに駆け上がって勝利アピールかと思われたが…下腹部へのパウンドが明らかになり勝利は取り消し。リプレー映像を確認した放送席からは「あーっ これはダメだろ!」と非難の声が。再開後の2ラウンドにはヘッドバッドで注意を受ける一幕も…。露骨な反則行為にファンからも「反則負け」「ノーコンテストにしろ」と怒りの声が相次いだ。
7月15日にタイ・バンコクで開催されたONE Championship「ONE Friday Fights 25」。ボルター・ゴンサルベス(ブラジル)とバンマ・ドゥオジ(中国)の試合はバンマが3ラウンド判定で勝利も、序盤に起きた“KOが即取り消し”となる痛すぎるローブローに注目が集まった。
“鉄の拳”のニックネームを持ち、立ち技からMMA転向で初戦を迎えたブラジリアン・ゴンサルベスと、チベット族のバンマ・ドゥオジとの対戦は1ラウンドから波乱となった。
ゴンサルベスが足関節を狙い、バンマが上からパウンドを狙う攻防のなか、問題のシーンは起こった。バンマが上から振り下ろしのパンチを放つと、ゴンサルベスはこれが効いたか”ウッ”と声をあげ力なくグッタリ。そこに追撃のパウンドが打ち込まれた。レフェリーが割って入り試合終了…「勝ったぞ!」とコーナーに登るバンマ。しかし、直後に異変が。
レフェリーのハーブ・ディーンが「ノー(終わってないぞ)」とひと声。まさかの展開に「マジで?」とバンマは不満をあらわにしたが、攻撃中にローブローがあったという指摘だ。
ABEMA実況の西達彦アナウンサーも「どこであったのかわかりませんね…」と戸惑いのコメント。リング上で悶絶したままのゴンサルベスを尻目にスロー映像が流れると、とんでもない事実が発覚する。
フィニッシュ直前、バンマの体重を乗せた渾身の振り下ろしパウンドが、ボディでも頭でもなく、ゴンサルベスの下腹部に突き刺さっていた。股間に突き刺さる痛みが伝わる一撃に、実況席は「あーっ…」と絶叫。解説の大沢ケンジも「これはダメだぁ…それはダメだよ」と叫んだ。
よもやの一撃にファンからも「これはアカン…」「反則負けだ」「モロじゃないか」「故意だろ! ノーコンテストだろ!」と怒りの声が殺到した。
その後、ゴンサルベスがなんとか復帰して試合再開とはなったが、”痛恨の一撃”が効いたか終始精彩を欠いた展開。試合は判定でバンマが勝利を収めたが、2ラウンドにもグランドの攻防でヘッドバッドをかましレフェリーが説教。イエローカードを貰うなどスッキリしない試合内容だった。