恋愛したい男女が自分の分身となるアバターを使って交際する、仮想空間マッチングアプリ「Memoria」が、いま注目されている。アバターは人間やキャラクターなど15種類から選び、VRヘッドセットかパソコンで操作。自分の声で会話でき、手や頭の動きに合わせてアバターが動く仕組みとなっている。
仮想空間上での初回デートは30分間で、マッチングすれば2回目以降も仮想空間でデートできる。この日、初デートを迎えた「彼女いない歴9年」のエンさん(30、神奈川県在住)と、「彼氏いない歴10カ月」のmomoさん(28、栃木県在住)に話を聞いた。
「アバターを使うので緊張しづらい。自分の見た目を気にしなくていいし、相手の容姿から判断しなくて済むので、性格に集中できる」(エンさん)
「初対面が顔を合わせているわけではないので、アバターを使って話している分、人見知りな所もあるので、しゃべりやすいなと思う。他のマッチングアプリと比べると、『写真ジャッジ』がない。第一印象が内面から見てもらえるっていうところが良い」(momoさん)
共通する感想は、緊張せず本音で話せるため、心がひらきやすいこと。デート中は互いのプロフィールを見ながら会話する。エンさんが最近ハマっている「ピクルス作り」の話題から、距離が縮まっていく。2人とも、元恋人との出会いはSNSだったという。
「前の彼はTwitterで知り合った。あまり抵抗なく主流になっている」(momoさん)
明治安田生命の「いい夫婦の日」に関する調査によると、2022年に結婚した人の「出会いのきっかけ」1位はマッチングアプリ(22.6%)で、職場や学校を抜いて初めて首位となった。ネットでの出会いは当たり前なのだろうか。
仮想空間マッチングアプリを開発した佐藤航智CEO(25)もまた、そのひとりだ。
「何回かメタバース(仮想空間)でデートをして、相手のフルネームの漢字や、外見・顔を知らない状態でお付き合いした」(佐藤航智さん)
佐藤さんは仮想空間上で彼女と出会い、一度も会わずに交際した。交際から1年半を経て、今年8月に入籍予定だという。自身の経験を生かした仮想空間マッチングアプリは、今年4月の開始から1200人以上が利用している。すでに20組のカップルが誕生し、2組が結婚したという。
アプリ内の企画にある「間違い探しゲーム」を楽しみながら、30分間の初デートを終えたmomoさんとエンさん。「またお話ししたい」「僕もです」と、互いに好感触だったようだ。
佐藤さんは、今後の展望として、現実世界とメタバースの連携を掲げる。
「おそろいの靴をメタバースで買って届くとか、Tシャツに(カップルで)サインやデザインをして、購入ボタンを押すと、何日後かに家に届く。そういうことをやっていきたい」(佐藤さん)
(『ABEMA的ニュースショー』より)
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