5月以降、新型コロナの感染再拡大が伝えられている沖縄。県別1医療機関あたりの平均患者数を見ると、沖縄県は48.39人と、都道府県平均の7.24人と比べて感染者の増加が続いている。
【映像】“保険適用外”も…今「新型コロナ」になったら? 実際の費用(画像あり)
ニュース番組「ABEMA Prime」に出演した医師の竹内翔祐氏(たけ内科総院長)は「これまで夏・冬に必ず感染の波が来ている」と指摘する。
「夏は沖縄から上がってきて、冬は北海道から下がってくる。どちらも気温が極端になった時に感染者数が増えて、東京に来る。東京も暑くなってきたから、感染の波が来るかもしれない」
もし風邪っぽいと感じたら、クリニックに行ったほうがいいのか。自宅療養がいいのか。
竹内氏は「外に出ないなら、必ずしも検査は必要ではない」とした上で「“自分のため”ではないという視点を常に持っていただきたい」と話す。
「世の中の大半は、新型コロナで亡くならない。ただ、基礎疾患を持っている人や高齢者が亡くなる。だから、うつさないことが大事だ。医療機関に対しては、常に“椅子取りゲーム”だと思ってほしい。ベッドの数は急には増やせない。若くて亡くなりはしないが、対策を怠ったために、長引いてベッドの一床を取ってしまうと、そこから溢れた人が亡くなるかもしれない。“席を空ける”という感覚を持っていただきたい」
マスクの着用は3月から個人の判断に委ねられている。竹内氏は「マスクも基本的には自分を防御するものではなく、人にうつさないためのものだ。人口の99%の人は大丈夫だが、自分のおじいちゃん、おばあちゃんを思い浮かべて、その人たちへの優しさでマスクをつけるか・つけないかを判断してほしい。ウイルスもらわないためには手洗い、うがいだ」と話す。
5類移行によって、PCR検査は無料ではなく患者負担になる。竹内氏のクリニックではどのくらいの費用が発生するのか。
「まずは症状があるのか・ないのかで分かれる。症状がある場合は、価格を決めるのは私どもではなく、いわゆる保険診療の点数による報酬だ。厚生労働省や保険所が決めた金額で、4000〜5000円ぐらいだ。症状がない時は保険適用ができないため、2万〜3万円。患者負担になったことで、3倍になっている」
高額である理由について、竹内氏は「PCR検査はそもそもマニアックな検査だ。僕たちは、こんなに使う世の中になるとは思っていなかった。すごく面倒な検査で、結果もすごく急いでも1時間はかかる」と述べる。
もし、夏にかけて感染者が増加した場合、PCR検査は再度無料になるのか。
竹内氏は「一介の医者に政治のことは語れない」と前置きした上で「おそらくないだろう」と回答。
「無料検査は例外中の例外だった。この2年間、医療機関でなくても、制度としてほぼ保険診療のようなことができた。これはかなり異常で、医者からは『なんで無料検査が通ったのだろう』と逆に不思議なぐらいだ」
ドラックストアには数百円単位で買える抗原検査もある。竹内氏は「無症状の人が『今かかってないかな?』と確認する検査としては不向きだ。よっぽど熱があって、咳をゴホゴホしていて、すごく症状が出ている時じゃないと、陽性と出ない」と話す。
「医療関係ではない友人に『今、コロナが流行ってきているよ』と言うと『嘘でしょ?』と言われる。患者さんにコロナ陽性だと伝えたら『ニュースで扱われないのに、まだあるのか』と言われたこともある。報道されていない時にコロナになった人は『嘘だろう?』と思う。報道の力はすごい。意識の乖離が出ていると思う」
竹内氏は「5類になって一番はしゃいでいたのは医療従事者だ」という。
「医者はコロナでどれだけ大変だったか。私たちも人間だし、お酒を飲みたい。今年に入ってようやくコロナ病棟解散お疲れ様の飲み会ができた。だからこそ、感染を爆発させないために、やるべきことはやらないといけない」
(「ABEMA Prime」より)
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