CMキャラクターを務めていた俳優・佐藤隆太が広告出演の契約解除を発表するなど、各方面に影響が広がるビッグモーターの保険金不正請求問題。不正が常態化した原因のひとつとして厳しいノルマといびつな企業風土が挙げられている。
【映像】「部下の生殺与奪権を与える」パワハラまがいの文言が並ぶ経営計画書の中身
ビッグモーターの第三者委員会の調査報告書によると2020年以前から不正は行われており、厳しいノルマが原因のひとつだと言われている。実際、修理費用は車両の損傷の程度によって決まるものにもかかわらず、1台14万円のノルマが課せられていた。
この件について元工場長は「損傷してない車両とかはヘッドライトの付け根をハンマーで叩いて折り、ヘッドライト交換する。リサイクル製品を使うので安く仕入れるものがあればそこで稼げるので」と現場の状況を生々しく証言した。
また、社員に配布される経営計画書『経営の原点12か条』には、「燃える闘魂。経営にはいかなる格闘技にも勝る激しい闘争心が必要」「会社と社長の思想は受け入れないが仕事の能力はある。今、すぐ辞めてください」「経営方針の執行責任を持つ幹部には、目標達成に必要な部下の生殺与奪権を与える」等、独裁的な圧力を感じさせる記述が数多く並んでいた。
元社員は「毎朝唱和するものがあるんですけど、そこに社長の名前が書いてあるので社長の意思だと思う」と語るが、兼重宏行社長は1年間の報酬を返上する方針を発表したのみで公の場での発言はなかった。
朝日新聞の今野忍記者は、直接取材した同僚の話として「相当厳しいノルマをつけて、狂ったようにやれと普通に言われる。狂ったように営業しろ、業界ナンバーワンになれ、と」と現場の状況を説明。
そのうえで、「人口減で車を持つ人が減っているので、全体の需要が減っているわけですよね。そのなかで1位を取るということは相当無理をしなければいけない。それが、今の社長の代が変わってからさらにきつくなったという証言もあるので、記者会見で説明責任を果たしてもらわないと」と憤慨した。
(『ABEMA的ニュースショー』より)
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