日本維新の会の馬場伸幸代表が7月23日の『ABEMA的ニュースショー』で言い放った、共産党に対する発言が物議を醸している。
翌24日、共産党の小池晃書紀局長は緊急会見を開き、「許しがたい発言」「民主主義を根本から否定する暴論」と強く批判し、発言の撤回を求めた。しかし、馬場代表はその意思がないことを表明し、さらに「破防法(破壊活動防止法)による調査団体に指定されている危険な政党」と述べると、小池書紀局長は「暴力革命などという破綻済みのデマに基づいて攻撃することは慎むべきだ」と猛抗議。党内外を巻き込む騒動に発展している。
渦中にいる小池書紀局長が30日の『ABEMA的ニュースショー』に出演し、改めて馬場代表の発言に反論した。
小池書紀局長は「政党がそれぞれ批判するのは当然。僕らも維新のことを批判するし、維新も共産党のことをそれこそボロカスに言ってもいいと思う」との認識を示した上で、「『しんぶん赤旗』の読者は100万人以上、党員は27万人いて、選挙になれば300~400万人支持してくださる方がいる。それを『なくなったほうがいい』、つまり“この世から消えてしまえ”というのは言ってはいけないことだと思う」と述べる。
馬場代表は共産党を「空想の世界をつくって“こうなったらいいな”と真剣に、真面目に考えている人たち」とも表現しているが、これについては「半分正しい」と言う。
「今の日本の政治はアメリカの言いなりだし、大企業の利益ばかりを追及しているのは根本から変える必要があると思っている。さらに言えば、資本主義のシステムでこのままずっと行くのか、次の社会をつくっていくべきではないか。そういう意味で、“こういう社会にしたい”と真面目に考えている人たちだというのはそのとおり。空想ではなく『理想』だ。そういうことを正面から言っているのは共産党だけで、馬場さんが言う“第2の自民党”にしてみれば邪魔な存在なのだろう」
また、破防法を引き合いにした「危険な政党」発言には「根拠のないデマだ」と改めて強く反論した。
「1989年に国会で『暴力活動・破壊活動があったか?』と不破哲三さんが質問し、(公安調査庁長官が)『ありません』と。36年間調査したけど何も見つかっていない。そこから30年経って、暴力行為・破壊活動の証拠は何もないし、これはもう決着がついたような話だ。暴力革命なんて私たちは全く考えていないし、今の世の中が暴力で変えられるわけがない。議会で多数をとって1歩ずつ進んでいこうというのが共産党で、馬場代表の発言は根拠のないデマだ」
こうした意見を述べた上で、小池書紀局長は「ある政党に『なくなったほういい』と言うことがまかり通るような世の中ではいけない。いくら考え方や将来の理想が違っても、言うこと自体は認めて、それを批判するのが民主主義だ。これは共産党にとってだけではなく、日本の民主主義にとって見過ごしてはいけない問題だと思っている」とコメント。改めて馬場代表に発言の撤回を求めるとした。(『ABEMA的ニュースショー』より)
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