3日、部員が大麻を使用しているという内部告発があった日本大学アメリカンフットボール部の寮に家宅捜索が入った。
2日、日本大学の林真理子理事長は「違法な薬物は確認されていないと聞いている」と話していた。しかし、大学が7月に独自で行った調査で、袋に入った植物片と少なくとも2錠の錠剤が見つかり、警視庁に提出していた。鑑定の結果、見つかった植物片は乾燥大麻。錠剤には覚せい剤の成分が含まれていることがわかったという。
「またウチかという感じ」(日大4年生・男)
「後輩が一番かわいそうだと思います」(日大4年生・女)
関係者などによると、この件に関わったのは複数人ではなく1人と見られている。聞き取りに対してその人物は、違法薬物についていずれも貰ったものだとしたうえで、植物片は「大麻と認識したうえで受け取った。錠剤は覚せい剤とは思わずに受け取った」と話している。
3日の家宅捜索について、林理事長は報道陣に口を開くことはなかった。一方で、日本大学は夜になってホームページを更新した。
「学生・生徒等、保護者、卒業生をはじめ、関係者の皆様に多大なご心配とご迷惑をお掛けしていることを心よりお詫び申し上げます」
大麻をめぐっては、若い世代の検挙数が急増している。2018年から大麻の所持や栽培などで検挙された人のうち、半数以上を20代以下が占めていて、去年は7割を超えた。専門家は、集団生活をする学生の間で大麻が広がっている理由についてこう話す。
「最近の若年層における大麻乱用の拡大は、大麻に対する危険性の認識が低下してきている。限られた空間の限られたつながりの中で、近しい関係であればあるほど違法薬物が入ってきたときに断りにくいのだろう」(湘南医療大薬学部・舩田正彦教授)
日大は過去にも、悪質タックルをめぐる問題や元理事長の脱税事件などの不祥事が相次いでいた。このニュースについて、ノンフィクションライターの石戸諭氏は 次のように考えを述べる。
「今回の話は林理事長が否定してしまったところで大きくなった印象だ。ここから考えられる可能性は『本当に知らなかった』か『林理事長が隠そうとしたのか』の2つに絞られる。情報が理事長まで上がらない、理事長が隠蔽したか。どちらにしても組織的な問題が問われることになる。日大の組織的にはかなりまずい展開だ。
アメフト部はこの問題が解決するまでは活動できないだろうし、薬物事件になってしまったことで選手個人の責任だとしても組織の監督責任は問われる。加えて若者が薬物に手を出してはいけないということも、声を大にして伝えたい」
(『ABEMAヒルズ』より)
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