「男性のみの入店お断りのプリクラ店」「男性トイレ内だけ防犯カメラ」は当たり前? 防犯か差別か、ジェンダー平等とは?
【映像】トイレの防犯カメラだけじゃない。 その他の“男性対策”

「まだこんな性差別的なプリクラコーナーあったんだ」

【映像】トイレの防犯カメラだけじゃない。 その他の“男性対策”

 最近、とあるゲームセンターに掲げられていた「男性のみでの入店・プリ撮影はできません」という注意書きに対するXへの投稿が話題に。SNSのコメント欄には「盗撮やナンパを防ぐのが目的で差別ではありません」「男性から女性への迷惑行為が頻発したことの結果」などの声があがった。

 一方で、電車での痴漢や盗撮などを防ぐための女性専用車両の導入、一部店舗の男性用トイレ・脱衣所への防犯カメラの設置という“防犯対策”に対して「男性差別だ!」との声も。

 性犯罪における加害者のほとんどが男性で被害者が女性という現状にある中、不公平感を生まない防犯対策は可能なのか。

ABEMA Prime』では、“ジェンダー平等”のあり方自体が見直されるなか、その一方で高まりつつある“男性差別”を訴える声について当事者、専門家とともに考えた。

■プリントシール機を運営する会社に理由を聞いてみた

 Xに投稿したすももさん(男性)に改めて思いを聞くと「元々男性だけでは入れないプリクラコーナーがあるのは知っていたが、最近見かけなくなっていた。だから『まだ残っているのか』と驚き、そして男性が迷惑な存在として扱われていることに悲しくなった」と心境を語った。

 なぜ、男性のみの入店をNGとするのか。プリントシール機専門店を運営する会社に聞くと、「男性を差別するという意図はなく、各店舗の周辺環境や男性入店による過去のトラブル実績なども踏まえ、個別に店舗毎の運営ルールを設定しております」という回答が。

 すももさんが生きづらさを感じるのはプリクラ店だけではない。電車の女性専用車両についても「男性は痴漢をするかもしれないから入らないでくれって言われてるみたいで傷つく」とコメント。

 近畿大学情報学研究所所長の夏野剛氏は「とはいえ、女性の3分の1から半分は痴漢の被害に遭ったことがあるというデータもある。つまり“加害者はものすごい少数派”とは言えず、防犯面からやむを得ない面もある」と説明した。

 パックンは「数人の悪い行為によってイメージをつけられて、みんなが判断されてしまうことは差別だ。例えば外国人が以前暴れたお店に“外国人禁止”という張り紙があったら僕は傷つく。 僕は暴れない。僕はルールを守る外国人だ」と述べた。

 安藤美姫氏は「過去に被害に遭ってしまった女性の『もう絶対に男性がいる車両には乗りたくない』という感情はすももさんも理解してくれると思う。では、その方たちがすももさんを見て『この人もそうかもしれない』と思ってしまうのはしょうがない部分もあるはず。だからといって、女性全員がそうではなく、被害に遭ったことがない女性は『男性ってそういう人』という見方をしない傾向にあると思う」との考えを示した。

■ジェンダー・ギャップ指数だけを見ても実情はわからない

 ジェンダー・ギャップ指数2023(世界経済フォーラム発表)において日本は女性の政治・経済への参画が特に低く、世界125位で過去最低となっている。これだけを見ると男性優位の社会に見えるが、『シン・男がつらいよ』の著者で、近畿大学教授、ジャーナリストの奥田祥子氏は「ジェンダーギャップ指数だけを見ても実情はわからない。男性の生きづらさは国の政策で見過ごされてきた」と述べる。

「OECD「幸福白書」2020“ネガティブな感情バランス”指標において、日本は唯一、男性の方が女性よりも怒りや悲しみなどのネガティブな感情を抱く国となったがあまり報道されていない。これもジェンダー・ギャップだ。もちろん、男性と女性、どちらの方が辛いという二項対立ではない。男性にも辛い人がいるという事実を少し頭に入れると政策も市民の意識も変わっていくのではないか」と提案した。

 パックンは「すももさんの主張は今アメリカですごく注目されているものだ。マイノリティやLGBTQ、女性を守りましょう、貧困層を守りましょうという声はよく聞こえる一方、白人男性に対しては『あなた方はずっと優遇されていたのだから今さら文句を言わないで』と誰も優しさを向けない。むしろ、ことあるたびに『また出たよおっさん』というような反応をされている」と説明した。

 さらにパックンは「女性優遇策を全部やめろとも思わないが、もう少し男性の生きづらさを認めていいのではないか。もっと言えば、辛い方全員に目を向けてもいいのではないか。男性だからできないことも増えていると、すももさんも感じているのだから」と述べた。
(『ABEMA Prime』より)

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