【プレミアリーグ】ブレントフォード2-2トッテナム(日本時間8月13日/ブレントフォード・コミュニティ・スタジアム)
昨季セルティックを3冠に導いたアンジェ・ポステコグルー監督のプレミアデビュー戦は波乱の展開となった。
歓喜の瞬間が訪れたのは、スコアレスで迎えた前半11分。トッテナムは、左サイドのボックス付近でFKを獲得。するとボールをセットしたのは、今夏に加入したマディソンだ。FKの名手であるマディソンは、ボールをセットするや身振り手振りでボックス内の味方に立ち位置の指示を送る。そこから鋭い眼光でボールの軌道を確認。3歩ほどの短い助走から右足を振り抜くと、高速回転のクロスがゴール前に矢のように飛んでいく。これをクリスティアン・ロメロが頭で押し込み、トッテナムが先制点を挙げた。
これにはABEMAで解説を務めたベン・メイブリー氏も大絶賛。「マディソンのボールの質もスピードもいいですよね。ロメロの位置をみて、オフサイドが際どいだったと思いましたが、ボールの質、ロメロの動き出しもアグレッシブでした」と、両者のプレーの質の高さを称えた。
ところが、ヘディングゴールを決めたロメロはどこか落ち着きがない様子。祝福に駆け寄った味方選手に囲まれ、うつむき頭を下げる姿も。その後、ロメロ本人はベンチに向かって出場継続が可能なサインを出したが、ダビンソン・サンチェスとの交代となった。
実は前半開始早々の2分にロメロは相手選手と交錯して頭部をぶつけていた。ゴールシーンのヘディングシュート後には、“脳しんとう”のような症状が出たために交代を余儀なくされたようだ。
さらにとんでもないミスも起こる。本来であれば脳しんとうの疑いがある選手は、特別な交代枠で入れ替えることが可能だが、ベン氏によるとロメロの交代は通常の交代枠として扱われた模様。これにより、早い時間帯で交代枠を1つ使うことになってしまった。
トッテナムはこのゴールで先制こそするものの、27分、36分と立て続けに失点して逆転を許す展開に。前半アディショナルタイムにエメルソンのゴールで同点に追いついたが後半はゴールを奪えずに終わり、プレミア初のオーストラリア人監督は記念すべき初戦を白星で飾ることはできなかった。
(ABEMA/プレミアリーグ)