「手つきが嬉しそう。若い頃からいっぱい見た」羽生善治九段の同世代棋士の“レジェンド評”に視聴者ワクワク/将棋・ABEMAトーナメント
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 顔を見なくても手つきさえ見れば、相手の胸中がわかる。そんなコメントだ。将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2023」本戦トーナメント2回戦・第1試合、チーム羽生とチーム天彦の対戦が8月12日に放送された。羽生善治九段(52)はリーダーとして後輩2人を引っ張ったが、チームはスコア2-5で敗退。ただこの2勝はいずれも羽生九段が挙げたもので、個人としては予選から通じて6戦全勝、勝率10割のまま大会を終えた。佐藤天彦九段(35)は89手、かつてのチームメイト三枚堂達也七段(30)には60手で完勝。スーパーレジェンドの圧倒的強さに、同世代の解説棋士から「手つきが嬉しそう。若い頃からいっぱい見た」と、実体験を含めた感想が漏れた。

【映像】ホクホクと表現された羽生善治九段の手つき

 羽生九段といえば、当時7つだったタイトルを総なめにする七冠独占、さらに永世称号のない叡王戦を除く7つのタイトル全てで資格を得る永世七冠、さらにタイトル99期、通算最多勝など、数々の大記録を打ち立てている。今年からは日本将棋連盟の会長職にも就き、トッププレイヤーでありつつ未来の将棋界のために、先頭を切って尽力する立場になっている。

 そんな羽生九段の着想から生まれた同大会。これまでは超早指しに苦戦することも多く見られたが、年々対応してきたことで羽生九段の勝率もアップ。そして今年は予選から隙のない将棋を展開し続けると、予選は個人4戦4勝の負けなしで本戦に進んできた。

 第3局で迎えたのは佐藤九段とのリーダー対決だった。佐藤九段が得意とする横歩取りからスタートするが、相手の得意戦法でも堂々と受け止めるのが羽生流だ。両者、中住まいから仕掛けるタイミングを探り合う展開になると、じわじわと横歩取りに誘導した後手の佐藤九段が悩む方向に将棋が進んでいった。佐藤九段の持ち時間もだいぶ減ったところで、羽生九段の手が冴えてきた。一気に突き放しにかかると、解説していた先崎学九段(53)からも、ABEMAの「SHOGI AI」を横目で見ながら「(勝率)82%かあ。これは90%をあげてもいい」と、限りなく勝利に近いとコメント。さらには、勢いに乗ってテンションも高まっている羽生九段に対して「もうなんか、手つきがうれしそうだね。ホクホクしている感じ」と指摘した。また「ああいう手つき、若い頃からいっぱい見ましたよ。相当大差ですね」と、自ら羽生九段に敗れた時の経験を振り返っていた。

 先崎九段の解説通り、羽生九段はそのまま快勝。ファンからも「手つきがほくほく」「長年羽生さんと指してきた者の感性」「羽生を知り尽くした男w」といった声が寄せられていた。

◆ABEMAトーナメント2023 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり、今回が6回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士14人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全15チームで行われる。予選リーグは3チームずつ5リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

【映像】炸裂した戸辺攻め
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【映像】ホクホクと表現された羽生善治九段の手つき
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【映像】弁当の箱を開けるのに苦戦する佐藤天彦九段
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