【プレミアリーグ】ウォルヴァーハンプトン-ブライトン(日本時間8月19日/モリニュー・スタジアム)
ブライトンの三笘薫が、日本時間8月19日に行われたイングリッシュ・プレミアリーグ第2節、ウォルヴァーハンプトン戦で今季初ゴールを挙げた。日本代表FWは、初挑戦となった昨季リーグ戦で33試合に出場して7得点・6アシストという堂々の成績を収めた一方、得点力には課題を残したなかで2年目の今季は幸先良く結果を出した。
15分、左サイドでボールを持った三笘は、中央へ切り込みながら1人をかわすと、追いすがるディフェンスも振り切ってボックス内へと侵入。さらにもう1人のディフェンスをスピードで引き離すと、寄せてくるGKの動きを見ながら肩口を抜く右足シュートでネットを揺らしてチームに先制点をもたらした。
昨季の三笘薫は、欧州の地で記憶と記録に残る活躍をみせた。ブライトン加入当初は、リーグ開幕からの11試合で出場なしが2試合、ベンチ外が2試合と、足首の負傷などもありつつ、出場機会に恵まれていなかった。しかし、初先発した第14節・チェルシー戦で初アシストを記録し勝利に貢献すると、続く2022年11月6日の第15節・ウォルヴァーハンプトン戦において、"ヘディング"による初ゴールをマークした。
その後、シーズン途中に就任した指揮官、デ・ゼルビ監督からの絶大な信頼を獲得すると、第17節からの24試合に全て出場するとともに、圧倒的なパフォーマンスを披露してチームの中軸選手として異彩を放った。
2023年1月21日の第21節・レスター戦では、イタリアのレジェンドであるデル・ピエロ氏も称賛する"デル・ピエロ・ゾーン"からのスーパーシュートを記録。そのあたりからは相手チームの"三笘対策"が強まるなかでも進化を遂げて結果を残し、シーズンを通して4回のマン・オブ・ザ・マッチ(MOM)に選出された。
新指揮官の下で輝きを放ったチームは、世界最古のカップ戦であるFAカップでもベスト4へと進出。40年ぶりの決勝進出を目指した準決勝はマンチェスター・ユナイテッドにPK戦の末に敗れたが、この大会でも三笘のプレーは際立った。特に、4回戦のリヴァプール戦は、鮮やかなテクニックから決勝点を挙げるなど、全5試合に先発出場して2得点・2アシストを挙げるなど、チーム躍進の原動力となった。
ブライトンは昨季、リーグ戦を6位でフィニッシュ。クラブ創設から122年の歴史において初となるUEFAヨーロッパリーグの出場権を獲得した。終盤まではUEFAチャンピオンズリーグの出場圏内となる4位を射程に捉えるなど健闘したが、その戦いの過程において、3月から4月初旬までの5試合で2得点・3アシストを挙げ、5試合連続で得点に関与するというクラブ新記録を樹立するなど、三笘がチームに不可欠な存在だったことは疑いようがない。
その一方で、三笘はシーズン終盤、明確な課題を抱えていた。圧倒的なドリブル技術やチャンスメイクで得点機会に絡む回数が多いにも関わらず、肝心の「ゴール」を積み重ねられなかったのだ。プレミアリーグ日本人最多となる7得点を挙げたものの、その数字が倍になっていてもおかしくないほど、決定的なチャンスを迎えていた。
それだけに、2年目を迎える今季は明確にゴールを狙っていく。昨季、チームの大黒柱となった何人かの選手が退団したなかで三笘に求められるものは、これまで以上の結果だ。今季はその覚悟を、2戦目の結果で示してみせた。
(ABEMA/プレミアリーグ)