昨年、自殺した小中高校の児童・生徒は514人で過去最多となった。特に夏休み最終日である8月31日の夜に追い詰められて死を選んでしまうケースが多いという。
では、子どもが「学校に行きたくない」と話してきた場合、親や周囲はどのように対応すればいいのか? これまで、一部の教育者や著名人による「学校なんて行かなくても良い」という発言が注目を集めてきたが、果たしてそれだけでいいのだろうか?
もちろん、学校という環境が苦痛なのであれば「一時避難」も選択肢だが、長期的に考えた時に、親や教師はどう向き合うべきなのか。『ABEMA Prime』では専門家と共に考えた。
筑波大学教授で日本自殺予防学会常務理事の太刀川弘和氏は「危機になった時に我慢をすると自殺リスクが高くなるため、一時的な避難は必要」としながらも「それが長くなると悪循環に陥る恐れがある」と警鐘を鳴らす。
「例えば不登校の原因が『学業不振』であった場合、学校を休むことでさらに深刻化し、孤立感が高まる可能性がある。そうなると学校に戻ることがより困難となる」
学校を休むにあたって、どういうスパン・期間で考えたらいいのか。太刀川氏は「臨床では、人間の生活リズムに沿って一週間単位で考える。まず一週間休んでみて、かなり楽になるようであれば、学校に対する不適応が問題だから、その理由・要因を議論する。段階的に解決できるのであれば、ゆっくりと学校に行くトレーニングをすればいい」
では、回復しないケースはどうすればいいのか? 太刀川氏は「家にいる際もずっと横になっていて、夜も寝れない、ご飯も食べないのであればうつ状態だ。そうなると医療が必要になる」と述べた。
太刀川氏によるとうつになっているかどうかは「頭痛の訴え」「立ちくらみ」「朝起きられないこと」などがサインになるという。
「もちろん自律神経失調症や低血圧からきている場合もあるが、高い割合で、ストレスで原因になっていたり、うつが要因になっている。そういう身体の症状を見逃さないことが大事だ」と述べた。
(『ABEMA Prime』より)
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