8月19日に京セラドーム大阪で行われたオリックス・バファローズ対北海道日本ハムファイターズの一戦で、オリックス・ゴンザレスが見せた“一分の隙もない好守”がネット上の野球ファンの間で話題となっている。
1-0、オリックス1点のリードで迎えたこの試合の6回表・1死三塁の場面で、日本ハムの5番・万波中正は、カウント2-1からの3球目、真ん中低め、ボールゾーンへと沈むフォークに、バットを止めたもののこれが当たって大きく跳ね、オリックス先発・山﨑福也の頭を越して二塁・ゴンザレスの前へと転がるボテボテのゴロに。すかさず三塁走者のマルティネスが本塁目掛けてスタートを切ることとなったが、この打球を、ゴンザレスは素早く前進しながらベアハンド、すなわち素手でキャッチしてそのまま本塁へと送球。間一髪のところでマルティネスを刺すという、好プレーとなった。
8月25日放送の『バズ!パ・リーグ』(ABEMA)では、改めてこの場面をVTRで振り返る形で紹介することとなったが、その際に野球解説者の里崎智也氏は、「ベアハンドじゃないと、たぶんセーフになったかもわからないし、捕ってからの送球も、ここしかないっていうね。(捕手の)若月もタッチしやすい低めにね、しっかりコントロールされた送球の精度が高かったですね。」と、捕球だけでなくその後の正確なスローイングも含めて、“一分の隙もない”ゴンザレスならではの好守を称賛。
また、ネット上の野球ファンからも「守備を売りにしてる外国人にありがちな、派手なだけで確実性に欠けるタイプでもなく、レベルの高い合格点を超える守備をオールウェイズ魅せてくれる」「投げるまでの速さもすごいけど、タッチしやすいところに投げてるのもすごい」「派手なプレイで荒いのかと思いきや 極力ゴロは腰を落とすし フライは両手で取るという堅実さがたまらん」「グラブでキャッチしてからでは間に合わなかったので、ベアハンドで捕るのはさすがだし、ストライク送球で文句なしの素晴らしいプレーでしたね」「まさに芸術的守備だった」といった称賛の声を中心に、様々な反響が寄せられることとなった。
昨季までヒューストン・アストロズ (2012〜2018年)、ミネソタ・ツインズ (2019〜2020年)、ボストン・レッドソックス (2021年)、ヒューストン・アストロズ (2021年)、ニューヨーク・ヤンキース (2022年)とMLB4球団を渡り歩いたゴンザレスは、本職である内野に加え外野も守れるユーティリティ性が評価されているタイプで、ツインズ時代の2019年には、本職とはいえないはずの外野の守備で、レフト線の長打に素早く反応し、長躯生還を狙った一塁走者を“鬼肩送球”で刺したプレーが話題となったことも。
また、日本の野球ファンにとっては、アストロズ時代の2013年4月2日に行われたテキサス・レンジャーズ戦、9回2死の土壇場で、ダルビッシュ有の完全試合を阻止した打者としても有名。8月25日終了時点で、打率.222、本塁打9、打点27と、“MLB通算107本男”として見れば打撃面で今ひとつ波に乗りきれていない感はあるものの、守備面では既にMLBでの実績通りの働きを見せているといえそうだ。
(ABEMA『バズ!パ・リーグ』)