「バイトで食いつなぐ人も…」アイドル卒業後の“第二の人生” 支援するのは元アイドル?
【映像】現役アイドル時代の木村早希さん ステージで踊る姿も(画像あり)
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 華やかなステージに立ち、ファンに夢を与えてくれる「アイドル」。しかし、その笑顔の裏では“卒業後のキャリア”に悩む姿も。そんなアイドルのセカンドキャリアを支援する企業に迫った。

【映像】現役アイドル時代の木村早希さん ステージで踊る姿も(画像あり)

 木村早希さん28歳。16歳から20歳まで福岡を拠点とするアイドルグループ「LinQ」のメンバーとして活動していた。現在は、正社員として都内の企業に勤務。営業の仕事を行っている。

「自分で営業先のリストを探して、そこから電話をしてアポを取る感じ。電話は1日40件くらい」

 地元の大舞台である、マリンメッセ福岡に立つことを目標に、アイドルとして夢中で駆け抜けた4年間だったという。

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「レッスンは毎日。基本的に休みはない。当時は、目の前のことで頭が一杯だった」

 目標には届かなかったものの、最後までやり切れたと話す木村さん。卒業後は持っていた調理師免許を活かし、レストランでアルバイト。その後、派遣社員や契約社員として複数の企業で勤務していたそうだ。芸能界という特殊な世界から一般社会にキャリアを変えた当時は、こんな不安を抱えていたと振り返る。

「みんなが出来て当たり前の知識やPCなどの基礎スキルがなかった。勉強もしてこなかったので、社会で通用するのか不安だった。一番は、どうやって就職活動していいかがわからなかった。視野が狭くなるので『一般社会にも出られないんじゃないか』と思った。卒業して、とりあえずバイトで食いつないでいるみたいな人も結構いる」

 ファンに夢を与えるアイドル。しかし、その世界の特殊さゆえに卒業後のキャリアに悩む人も多い。こうしたなか、彼女たちの“第二の人生”を後押しする会社が生まれた。

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 アイドルグループ「仮面女子」の元メンバーで、現在は、渋谷区議会議員として活動する橋本ゆきさん。今年8月、アイドルのセカンドキャリアを支援する「株式会社ツギステ」を設立した。

「キャリアに課題を抱えていたり、悩みを抱えている子が多い。あんなに頑張った日々が次に活かされない。『あの時が自分の人生一番輝いていたな』となるのが、自分の中で憤りに近いものがあった」

 ビジネスマナーやPCの講習会、履歴書や自己PRの作成、さらには税金や社会保険といった“働くうえでの困りごと”を、丸ごとサポートしているという橋本さん。現在60人ほどがツギステのサービスに登録。“元アイドル”を雇いたい企業とのマッチングも行っている。

「アイドルをしていた子は、忍耐力や企画力に長けているのに、自身ではわかっていないことが多い。そういったスキルを形にして、『セカンドキャリア』に歩ませてあげられることを重視している」(株式会社ツギステ面接担当・桜のどかさん)

 SNSの発信力や、コミュニケーション能力、そして頑張る力。アイドル時代の経験は社会でも強みになると橋本代表は訴える。

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「握手会や特典会は10秒、15秒の時間でファンに満足してもらわなければならない。少ない時間でも、相手が喜んでくれるような対応や反応、自分の魅力を最大限に見せることができる人たちだ。企業でも絶対に重宝される貴重なスキルだと思う」

 アイドルにとっての「卒業」は、夢のゴールでもあり新たな人生へのスタート。まずは、ファーストキャリアであるアイドルとして「今を全力で駆け抜けて欲しい」と橋本代表は話した。

「アイドルは目の前の人を笑顔にする仕事だし、本当に価値がある仕事だ。(セカンドキャリアに)悩んでいる人、悩んでしまう人の手が届くところに必ずいるような存在になりたい」

(『ABEMAヒルズ』より)

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