「子どもを手なづけて性的な写真を要求」 海外からの被害も?“SNSグルーミング”の巧妙な手口
【映像】海外の女性から性被害を受ける少年
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 SNSをきっかけに性犯罪に巻き込まれる子どもが増えている。被害の実態から、子どもの心を巧みに支配しようとする手口が見えてきた。

【映像】海外の女性から性被害を受ける少年

 警察庁が18歳未満の性被害を調べた統計によると、2022年に検挙された「児童ポルノ事犯」のうち「自らを撮影した画像に伴う被害」が38.8%で最多となった。子どもが断り切れずに応じてしまい、画像をネット上に拡散されるといった被害が後を絶たないという。

 SNSで子どもを手なずけ、性的な写真などを送らせる「SNSグルーミング」。こうしたデジタル性被害に詳しいNPO法人「ぱっぷす」の金尻カズナ理事長は、子どもが抱える悩みにつけ入る大人がいると指摘する。

「たまたま自暴自棄になっているとか、受験勉強でとにかくストレスフルな毎日で、とにかく現実逃避をしたくてSNSを利用している若者をターゲットにしている」(NPO法人「ぱっぷす」・金尻カズナ理事長 以下同)

 さらに、最近では海外から被害を受けるケースもあるという。

「子どもを手なづけて性的な写真を要求」 海外からの被害も?“SNSグルーミング”の巧妙な手口
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「『体つき良いね。ちょっと脱いで』と言われ、『海外の女性ってこんなに大胆なんだ』と誤認してしまい、裸になってしまった」

 被害にあった少年は、異なる言語を話す人同士をマッチングしてそれぞれの言語を教え合う「言語交換アプリ」を通して海外の女性と知り合った。ビデオ通話で衣服を脱ぐ姿を録画され「SNSで拡散されたくなければ金を振り込め」と脅されたという。

 グルーミングの手口は巧妙だ。まず、丁寧に接して親近感を抱かせてから、住所や学校など個人情報を聞き出す。その後、写真や映像を送らせ、態度を豹変して脅迫。ほかにも、はじめは顔写真を求め、だんだん要求をエスカレートさせて性的な画像を送るよう求める手口など、言葉巧みに子どもを支配しようとする。

「加害者は、孤立化させることにとても長けている。一人で抱え込むところを狙ってさらに脅しをかけていく。とにかく一人で抱え込まずに相談することが何よりも大切だ」

 8月、SNSで知り合った中学2年生の女子生徒にわいせつ目的で会ったなどとして、都内に住む32歳の会社員の男が書類送検された。

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 警視庁によると、男はSNSで「パパ活」と検索して見つけた少女のアカウントにメッセージを送り「1万円を払う」と約束。わいせつ行為をする目的で面会を要求したという。車の中でわいせつ行為をした疑いももたれている。

 この事件に「わいせつ目的面会要求罪」が全国で初めて適用された。いわゆる“グルーミング罪”だ。7月施行の改正刑法で新設され、16歳未満の子どもに対して脅迫したり嘘をついたりして、わいせつな目的での面会や、性的な画像の送付を要求すること自体が罪に問われる。

「犯罪になるからやめてと言えるようになったことは、とても大きな力だと思う。犯罪であるということが広く周知されれば、被害を未然に防げるのではないか」

(『ABEMAヒルズ』より)

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