「靖国参拝や国歌斉唱は上っ面。日本の保守は薄っぺらい」日米にルーツがある愛国青年が危惧する国の未来とは
【映像】若者が日本を“脱出”する理由
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「もう日本には戻らない」

【映像】「日本の保守が薄っぺらい」理由
 
 2020年に海外移住を決め、スペイン・ドイツと住む場所を変え、現在はオランダを生活拠点にするHIKARUさん(26)。日本社会の「同調圧力」「寛容性の低さ」「経済的不安」に嫌気が差したという。
 
「出る杭は打たれる。みんなで同じようなレールに乗り、同じようなルールに従っている。息苦しさを感じた。多様性や個人の違いを認めるべきだ」
 
 日本は経済的な指標では、G7の中で一人当たりのGDP・平均年収が最下位。また、幸福度ランキングも最下位だ。彼女のように海外移住する人が増える傾向にある。
 
ABEMA Prime』では日米にルーツを持つ30歳の愛国者に、日本の過去と現在、そして未来について話を聞いた。

「靖国参拝や国歌斉唱は上っ面。日本の保守は薄っぺらい」日米にルーツがある愛国青年が危惧する国の未来とは
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■欧米はバラバラ 日本にはまだ帰属意識が残されている

 会社員の戸山國彦さん(30)は、10〜21歳はアメリカで生活。その後、日本に移り住み、2021年には愛国者団体「一水会」に入会した。一水会は憲法改正を訴え自決した三島由紀夫のメッセージを継承する団体だ。
 
━━なぜアメリカから日本に戻って来たのか。
 
 理論化して話せることではないが、「つながり」を感じたからだ。僕は生後3カ月から10歳まで日本に住んでいた。「三つ子の魂百まで」ではないが、根底の部分が日本で形成された影響は大きい。
 
━━団体に入ったきっかけは。
 
「キャリアを高めてお金を稼ぐ」という生き方が虚しくなった。僕が大切にするものは「つながり」だ。「人と人」「人と歴史」「人と地」のつながりが失われていく日本を見て、欧米のようになってはいけないと感じた。あっちは既に帰属意識のようなものが失われており、個人個人が原子のように孤独に漂っているが、日本にはまだ残っている。
 
━━日本は「幸福度ランキング」において低い順位だが。
 
そもそも論にはなるが、ランキングの前提条件に異議を唱えたい。「物質的な豊かさ」「個人として何ができるか」「食事の味」「犯罪が少ないか」などは本質的ではない。国は「面白い映画がないから別のに切り替える」という動画配信サービスとは全く別の存在だ。
 
━━「定量化されたものを超えた存在として、国がある」ということか。
 
そうだ。国と個人はある意味一体だ。国や社会、共同体の外に個人というのは存在しない。我々が日本語でこうやって話せているのも共通の歴史を持って、共通の国があるからだ。

━━だが、愛国心が薄くなっているという指摘もある。
 
愛国心は教わるものではなく、自然と教養の中で身につくもの。生まれ育ったところや歴史とのつながりを感じるからそこに感謝が生まれる。ところが日本は、戦前と戦後とが完全に断絶されている。だから、つながりを感じない。自分たちがやってきた場所、ルーツがどこにあるのかを答えられない。それなのに、道徳的な観点などから「社会に貢献しなさい」と言われても伝わらないだろう。

■日本の保守は薄っぺらい

━━「今の日本の保守は薄っぺらい」と主張しているがその理由は。
 
今の保守は「戦後体制」を保守している。彼たちが大好きな自由主義も民主主義もアメリカのレトリックだ。「日本の価値観だ、守るぞ」と訴えている憲法もその前文は明らかに英語を和訳したものだ。たちが悪いのは、アメリカの保守思想をそのまま受け継いでいるだけなのに、その上に飾りだけのナショナリズムを乗せていることだ。靖国神社に参拝するとか、国歌斉唱とか、そういう上っ面だけで人を満足させ、そもそもの日本の思想というのを持っていない。

━━日本はアメリカに従っているだけなのか。
 
僕は、主権なき国家に主体性のある国民は生まれないと思っている。国としてのビジョンを提示できず、アメリカについていくだけなのに、「国の未来を考えて」と国民に言えるのだろうか。今のままでは『この国と運命共同体として歩もう』という立場が取れない。

■消えゆく帰属意識を守る方法

━━帰属意識が失われようとしている中、どうすればルーツを学べるのか。
 
僕は下町に住んでおり、みんなで神輿を担ぐが、これは美しい行為だ。重いものを一緒に持つことは原始的で美しい共同体の体現だ。こうしたところに、欧米にはないものが残っていると感じる。
 
━━それを“同調圧力”と嫌う人がいるが。
 
今の社会は、同調圧力と利己主義が合体しているので悪質だ。上の人間が下の人間に同調を押し付けていて、その利潤を上だけが得ている。これを改める必要がある。
 
━━日本人が誇りをもつために必要なことは。
 
日本には、利己的で『自分さえ良ければ良い』という人があふれ返り、共同体というもの自体がなくなりつつある。確固たるイデオロギーもなく、もぬけの殻だ。精神面が著しく抜けていることが問題で、個人主義と自由主義から脱却しない限り日本には正直、未来はない。
(『ABEMA Prime』より)

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