【関東大震災から100年】桁違いの“揺れ”が連発…誰も気づかなかった記録「今の東京も安心できない」
【関東大震災100年】 桁違いの“揺れ”が連発
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 約10万人が犠牲となった関東大震災から100年が経つ。当時の資料映像には、崩れ落ちた建物に燃えさかる火の手が記録されている。

【映像】びゅんびゅん波打つ「地震計」 揺れの“一部始終”(画像あり)

 地震そのものの揺れはどのようなものだったのか。その手掛かりは、東京から約270キロ離れた岐阜県に今も残っている。

 気象台職員が差し出したのは、記象紙の資料だ。

「こちらが関東地震の9月1日の波形です」

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 揺れ始めから大きく上下に波打つ線。関東大震災当日、関東周辺では地震の揺れが大きすぎて、針が振り切れ、正確な記録は残っていない。

 この記録を見つけたのは、地震学者の武村雅之さん(名古屋大学特任教授)だ。関東大震災から約70年後、それまで誰も気づかなかった地震の揺れを記した記録を探し出した。

 記録を見た武村さんは「本震と余震が非常にきれいに分かれて見える」と話す。

 武村さんは、こうした記録を各地で探し出し、関東大震災の揺れの一部始終を導き出した。

 調査の結果、関東大震災の本震は、今から100年前1923年9月1日の午前11時58分に発生。震源の真上、震央は神奈川県西部だった。地震の規模を表すマグニチュードは8.1。阪神大震災のマグニチュードは7.3で、地震のエネルギーで比較すると16倍だ。地震がきっかけで動いた断層面は長さおよそ150キロ、幅70キロと神奈川県の大部分と千葉県南部がすっぽり入ってしまう大規模なものだった。

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 その3分後にマグニチュード7.2の地震、さらにその2分後にマグニチュード7.3の地震が発生。たった6分間でマグニチュード7以上の地震が3回起きていた。武村さんの分析によると「阪神淡路大震災を起こしたような地震が次々に起こった」という。

 その後、1時間も立たないうちに東京湾でマグニチュード7.1、本震からちょうど24時間が経とうとした2日の正午前に最大の余震マグニチュード7.6、その7時間後に7.1の地震がそれぞれ千葉県付近で起きた。

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 2日間で実に震災クラスの地震が6回も発生していた関東大震災。

「例えば阪神淡路大震災だったら、大阪まで行けば普通の生活していた。関東大震災は神奈川県でも同じような被害だった。東京は関東大震災の後にできた耐震基準で、個々の建物は昔より強くなっているが、街全体として見ると、決して安心はできない。マグニチュード8クラスが陸の下で起こったらどうなるか。これは、関東大震災を知ることでしか分からない」(武村さん)

(「ABEMANEWS」より)

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