習近平氏
【映像】中国で拡散されるフェイク画像(複数あり)
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 福島第一原子力発電所から処理水が海洋放出されたことにより、中国からの反発が続いている。

【映像】中国で拡散されるフェイク画像(複数あり)

 中国のSNSでは、トレンドTOP20の半分を「汚染水」など日本関連の話題が占めるが、投稿はブロックされず放置されている状態だ。「小日本」といった差別用語も目立つ。

 2023年8月24日に処理水が放出されると、中国は突然、日本全国の水産物を全面輸入禁止とした。日本政府やIAEA(国際原子力機関)が発表する科学的データに耳を貸さずに、「制裁」を発動した状況だ。

 中国メディアによると、処理水放出によって、日本行き航空券の検索数が半減し、実際の予約も3割減になった。中国からの団体旅行が解禁されたにもかかわらず、観光にも影響が出ている。

 さらにSNS上では、2020年にメキシコで撮影された下水管破裂の映像が「福島で撮影された」とのコメント付きで、フェイク動画として流れている。「福島県にて放射能で突然変異した」とされる奇妙な魚の写真もまた、北海道・知床で撮影された在来種「オオカミウオ」の写真。突然変異でも何でもない。 

【映像】フェイク画像
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中国現地のすし店も、対応に迫られている。はま寿司広報担当者は「中国本土内にある全34店舗で日本食材の使用を取りやめている。理由は中国で日本産の水産物が輸入禁止になり、安定供給ができないから」と語る。

 国際政治学者の舛添要一氏は、「海産物の輸入禁止は、日中双方誰も得しない愚策。合理性のない判断をするということは、習近平政権の内部で異変が起きているのではないか」と指摘。中国と隣接する海域でとられた魚介類の不透明さや、30年にわたる放出期間を考えると、合理性に欠けた制裁だという。

 また舛添氏は「不動産不況など、中国経済は最悪の状態」だとも話す。中国では個人消費が伸びていないうえに、借金経営ができなくなったことから、建設予定のマンションが放置されるなど、不動産業界に影響が出ている。政府の土地の権利も売れず、地方の道路も作れない。こうした状況を背景に、習近平国家主席は、「思い通りにいかないイライラ」を抱えているのではと見ている。

習近平氏、李強氏、王毅氏
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独裁体制を確立したはずの習氏が表に出ないことから、キーパーソンは、共産党ナンバー2で経済発展を優先する「穏健派」の李強首相と、中華帝国の再興を目指す「強硬派」の王毅外相の2人だといい、穏健派の団体旅行解禁と強硬派の海産物輸入禁止が、アクセルとブレーキを同時に踏んでいる状態だと分析する。

 さらに舛添氏は、李氏はアメリカとの経済外交を行い、王氏は「習近平に喜ばれることをやる」と説明。一見対立しているようだが、習政権のもと役割分担しており、また2人の序列が異なることから、「会社の副社長(李氏)と課長(王氏)はケンカにならないのでは」と解説する。

 習氏が矢面に立たない現状について、舛添氏は「調子悪い時は出てこない」と推測し、今後行われるASEAN(東南アジア諸国連合)会合やG20首脳会議では、「李強さんと岸田さんが話をして、『処理水の問題は日本と中国の専門家の間でチーム作って、よく研究しましょう』として、どこかで手を打つべき」とアドバイスした。

 岸田文雄総理は、外務大臣として戦後最長の任期を務めた経験があることから、舛添氏は「お前、外務大臣だっただろ。外交が一番専門のはずだろ。なにやっとるの。お前がやれよ」と熱弁する。中国の原発には、日本の65倍もトリチウムを放出しているところもあるが、対立を避けて「喧嘩になるからあえて触れない」方が良く、それよりも「どうすれば改善するかとか考える。最後は習近平が決める、睨まれたらアウト。科学もクソもない。政治、あの国は。だから政治で対抗するしかない」と語った。

(『ABEMA的ニュースショー』より)

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