「この5銘柄を買えばOK!」森永卓郎・康平親子をかたった詐欺広告が横行 SNS運営会社に削除要請も“いたちごっこ”に
【映像】森永親子のなりすましアカウント
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 有名投資家や実業家の名をかたった詐欺広告SNSで横行している。自身の画像も詐欺広告に不正利用されているという、経済アナリストで、ニュース番組『ABEMAヒルズ』コメンテーターの森永康平氏に話を聞いた。

【映像】森永親子のなりすましアカウント

「今SNSで私の写真を使って、投資詐欺を勧誘する広告が出ているが、あれは全部私のものではなく、すべて詐欺だ」(以下、経済アナリスト・森永康平氏)

 Facebookのタイムラインに流れてくる広告では、森永氏と同じ経済アナリストで、テレビなどでも活躍する父・卓郎氏と共に写る画像が使われている。当然、不正利用だ。まるで2人のお墨付き銘柄を推奨しているかのように「毎月配当金生活は簡単!!この5銘柄を買えばOK!」という煽り文句まである。

「例えば『私にお金を払うと、上がると思われる銘柄を教える』という行為は『投資助言業』になってしまう。私はそのライセンスを持っていないのでそもそもやるわけがない。私がやっているとしたら違法になってしまう」

 森永氏は自身のX(旧Twitter)でも「銘柄推奨」「投資助言」は一切やっていないと投稿し、注意を促している。

「絶対に儲かる銘柄なんかわかるわけない。仮にわかるとしたら自分で買って内緒にする。人にわざわざ教えてあげる理由もない。『そういうおいしい話は出てくるわけがない』というのをまず理解するべき」

 今、SNSには著名人をかたった詐欺広告が溢れている。これらの広告をタップするとLINEの偽アカウントに誘導され、投資詐欺を持ちかけられたり、犯罪組織に個人情報を利用されるようなサイトに登録を迫られたりすることもあるという。

 ZOZOの創業者で実業家の前澤友作氏は、自身の名前や画像を無断使用した大量の詐欺広告をめぐって、Facebook Japanに正式に抗議した。

 しかし、前澤氏が自身の公式Xで紹介した返答は「私たちは何もできないので本国のMeta社に言ってくれとのことです」と、まさかのたらい回しだったという。この対応に前澤氏は「会社自体の資質を疑う」と苦言を呈した。

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 プラットフォームを提供する企業の責任について、森永氏はこう話す。

「(広告の)中身に対する審査はほとんどしていないと思う。それが本人の広告なのかどうかという。ただ、それによって我々は被害を被っているし、だまされてお金を取られた人たちにも損失が出る可能性があるので、そういう意味ではプラットフォーム企業はちゃんと自社の責任として、ある程度の広告審査をするなり、そういう努力はしてほしい」

 詐欺広告を見つけ次第、プラットフォーム側に報告しているという森永氏だが、アカウントが削除されてもまた新たな“なりすましアカウント”が発生してくるという“いたちごっこ”状態になっている。

「そういう詐欺をしている人たちを本当に厳しく取り締まって、見つけた場合は厳しい刑罰を与えるようにするしかないと思う。ぶっちゃけすごい迷惑。『これ本当ですか?』と問い合わせがすごく増えてしまって、僕からしたらただの迷惑行為にしかならない」

「また、Twitter(X)などで本当に困るのが、その詐欺師の広告を引用して『森永康平はこんな怪しいビジネスをやっている』というのを平気でつぶやく人たちがいて、僕からしたら営業妨害、名誉毀損だ」

 森永さんとある程度面識がありながら、本人がやっていると誤解する人もいるそうだ。ついつい信じてしまう人が意外と多いこの手の詐欺広告だが、どのような点に気を付ければよいのか。

「そもそも絶対に儲かるという話は100%無いと思ったほうがいい。とにかくこういう詐欺には絶対に引っかからないようにしてもらいたい。本当に当たり前のことを普通の感覚で判断することだけで、こういう詐欺は回避できると思う。まず皆さん冷静になってほしいと思う」

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 元東京国税局職員のお笑い芸人・さんきゅう倉田氏は、著名人をかたった詐欺広告をプラットフォーム側が削除しない点について「これは特にひどい」と話す。

「依頼に対応しないということは、その広告が正しいかどうか、どういう人が契約しているか調べるコストをかけないということ。でも、その広告を出している人から金をもらっている。自分たちの売り上げをもらうのにコストをかけないのはひどい」(以下、さんきゅう倉田氏)

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 巧妙化するこれらの詐欺にだまされないようにするには、どう注意したらいいのだろうか。

「広告に有名な人が出てきても、内容をちゃんと見て不合理なことがないか確認すること。『絶対』と書いていたら、『絶対なんか世の中にない』と思うことが大事だ。そして、お金を払う前に友達や家族に相談する。相談すると止められるのではないかと躊躇するときは、説明に矛盾やおかしな点があるということで、自分でも少し疑っているのではないか」

(『ABEMAヒルズ』より)

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