阪神タイガースが「アレ」を果たし、岡田彰布監督が「優勝」を解禁した。阪神タイガースのセ・リーグ優勝を祝うファンの熱が冷めやらぬ中、経済効果への期待も高まっている。
関西大学の宮本勝浩名誉教授によると、阪神タイガースの優勝による経済効果は、関西で約872億円が見込まれるという。
ダイヤモンド・オンライン編集委員の神庭亮介氏と、生粋の阪神ファン、『ABEMA NEWS』の辻歩キャスターを交えて話を聞いた。
━━「アレ」という言葉にはどういう背景がある?
辻キャスター:岡田監督は就任会見のとき「優勝」ではなく「アレ」という言葉を使っている。18年間、阪神が優勝していなかったが、何回も優勝に届きそうな惜しいときがあった。特に2年前はマスコミが「あかん、阪神優勝してまう」という特番をシーズン中に放送したら、そこから成績がガタ落ちした。そういった過去があり、今年は関西全体で繰り返さないようにしようとしていた。監督、選手、ファンみんなが「優勝」という言葉を極力避けていた。ファンの力もあって勝ち取った優勝だと思う。
━━「アレ」が結束力を高めた?
神庭氏:そういう効果もあったと思う。「アレ」が業界だけで通じる隠語のような役割を果たし、阪神ファン同士の結束が強まった。さらに盛り上がってくると、僕のような野球に詳しくない人間にまで情報が広がり、多くの人が「アレ 阪神」で検索し始める。内と外の両方を巻き込む、上手いコミュニケーションの取り方だ。
また、宮本名誉教授によると、阪神タイガース優勝の経済効果は約969億1238万円だという。2023年のWBC「侍ジャパン」優勝時は約654億3329万円だ。
なお、2003年の優勝時は約1481億円、2005年は約643億円(いずれも近畿地域のみ)だったことからも、阪神優勝による経済効果の大きさがわかる。
━━なぜこんなに経済効果が大きい?
神庭氏:嬉しくなって祝杯をあげる人がたくさんいるし、デパートのセールや、グッズ販売などもある。2003年の優勝時は前回優勝から長く期間が空いたので、降り積もったものが爆発して特に経済効果が大きかった。18年ぶりの今回もかなり期待できるのではないか。
神庭氏:直接的な経済効果とは別に「アノマリー」という言葉がある。理論的な根拠はないが、皆がなんとなく信じている相場の経験則のようなものだ。阪神が優勝した年と、その翌年は株価が上がりやすいと言われている。
ほかにも、米大統領選の前年には株価が上がりやすい、という有名なアノマリーがある。そちらは選挙前の経済対策で大盤振る舞いするから……という何となくの理由はあるのだが。今年は阪神優勝イヤーで、かつ米大統領選の前の年でもあるので、ダブルで株価に良い影響があるといいなと思う。
辻キャスター:今回優勝したが、まだ日本シリーズもある。もし日本一になったら、さらに経済効果が膨らむのではないか。
神庭氏:「日本一」と言っていい?
辻キャスター:言うと関西マスコミがざわっとしてしまうので、仮に「ソレ」として。「ソレ」に向かってやるしかない!
(『ABEMAヒルズ』より)
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