ひき逃げ死亡事件を起こし、1年以上逃亡を続ける八田與一（はったよいち）容疑者（27）に対し、被害者の遺族が新たに「殺人罪」で告訴することを決めた。
八田容疑者は2022年6月29日、大分県別府市の県道の交差点で、信号で止まっていたバイク2台を軽自動車ではねて、現場から逃走。大学生1人が死亡、1人がけがをした事件で、警察は八田容疑者を道路交通法違反の疑いで全国に指名手配した。さらに、警察庁は今月8日付で「重要指名手配」に指定。ひき逃げの容疑者が「重要指名手配」指定されるのは全国初となった。
しかし現在、八田容疑者に対する逮捕容疑は、被害者に対して適切な救護をせず現場を離れた、「道路交通法救護義務違反」。10年以下の懲役または100万円以下の罰金であり、時効成立は7年となる。
死亡した大学生の遺族は、懸賞金500万円を用意。時効のない「殺人容疑」への変更を訴え続けていたが、逮捕容疑が変わらないとして、新たに八田容疑者に対する「殺人罪」の告訴状を、別府警察署ならびに大分県警などに提出することが『ABEMA的ニュースショー』の取材で明らかになった。
死亡した大学生の父親は、「やっと重要指名手配になった 今から全国の交番に重要指名手配書がまわるでしょうけど、それだけじゃ犯人の確保に繋がるかわからない」と不安も口にする。
「道路交通法違反から殺人罪への切り替えが大切になってくる。今月、大分県警・別府署・検察庁に、みなさんが応援してくれた署名とともに、殺人罪に切り替えるように告訴状を持っていこうと思っています」（大学生の父親）
なお告訴の理由について、遺族の顧問弁護士は「罪名としてはずっと道路交通法違反で捜査を続けられていたが、その後明らかになってきた事実と今捜査している罪名が、少なくとも遺族から見ると離れている」と説明する。
特に問題なのは「ご子息が亡くなったという一番重要な事実についてフォーカスされずに捜査されている」ことだと指摘。「遺族はタイミングごとに殺人への切り替えをお願いしてきたが、理由がよくわからないままにそれが流されているというのが現実」と訴え、「殺意がある、とはっきりと示して警察を動かしたいところです」と決意を語った。
この事件について、警察は情報提供を呼びかけ、別府警察署（0977-21-2131）ほか、番組X（旧Twitter）ABEMAニュース／＠News_ABEMAのDMでも事件や容疑者に関する情報を求めている。
（『ABEMA的ニュースショー』より）
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