21歳の前頭十五枚目・熱海富士(伊勢ヶ濱)が、大関・貴景勝(常盤山)との優勝決定戦に敗れ、初優勝を逃した。左に変化してのはたき込みで決まった優勝に場内からはため息が溢れたが、熱海富士は堂々と土俵を後にした。解説を務めた元横綱・若乃花の花田虎上氏はその振る舞いを称賛した。
千秋楽を単独トップで迎えた平幕の熱海富士があと一歩のところで優勝を逃した。序盤戦から前に出る相撲で白星を重ね、11勝3敗の単独トップで千秋楽を迎えていたが、元大関の前頭二枚目・朝乃山(高砂)に寄り切りで敗れ、優勝決定戦に回った。
迎えた優勝決定戦は貴景勝にぶつかっていったが、左に変化され、そのままはたき込みで敗れる形となった。初めてのことだらけの優勝決定戦だったが、敗れた熱海富士は、一瞬悔しさを滲ませつつも、堂々と土俵を下り、しっかり前を向いて花道を闊歩した。その姿は早くも来場所を見据えているようだった。
この姿を受け、ABEMAで解説を務めた花田氏は「一生懸命当たっていった熱海富士はいつかプラスになる。悔しいでしょう。でも最後は潔かった。頭下げて、土俵を後にしてね」と称賛。「しっかり怖がらず、踏み込んでますよね」と取組の姿勢についてもコメントしていた。
優勝こそ逃したものの、初めての敢闘賞を受賞した熱海富士。間違いなく秋場所の主役のひとりだった。相撲ファンからは「来場所も良い相撲で楽しませて」「熱海富士の来場所が今から楽しみ」などの声がネット上に寄せられている。
(ABEMA/大相撲チャンネル)