放送作家・小説家として活躍する百田尚樹氏が立ち上げた日本保守党は、9月1日に開設したX(旧Twitter)のアカウントが僅か15日で27.5万フォロワーに到達。大きな反響を呼び、10月17日には結党の集いが開催される予定だ。
一方、選挙でどれだけの票を集め、議席を獲得できるかは未知数。歴史を遡れば、多くの新党が誕生したものの、党の看板や一定の議席数を長く維持できた例は極めて少ない。果たして、日本保守党はどのように党を拡大していく考えなのか。
26日の『ABEMA Prime』では、同党を創設した百田氏と有本香氏が、少数政党から出発する覚悟と政策、党の拡大方針を明かした。
「政権とれない」と百田氏 長期戦で挑む日本保守党の覚悟
百田氏は日本保守党について「現実的に我々が政権与党を取るのは無理だ。自民党には400人近い議員がいる。60年かけて作った、全国で選挙を勝ち抜く組織に勝てるはずがない」と言い放った。
そして「このままでは日本はダメだと思っているが、座して死を待つのは嫌だ。負けるとしても何かやりたい。我々は数年で勝負しようと思っていない。私は67歳だが10年頑張れば、あとに続く者が現れるかもしれない。一気に変えられるなんて思っていない。私が生きている間には無理かもしれないが、今やらなければ5年先の日本はないだろうという思いだ」と新党に懸ける思いを語った。
「今、27万人のフォロワーがいて、実際に9月の終わりから党員募集をする。熱い気持ちを持った人と会うこともあるだろう。“コイツは俺よりはるかに凄い”と思う人が現れるはず」と党員募集の見通しを明かした。
日本保守党の政策とは?
では、具体的にはどんな政策を考えているのか。
有本氏は「岸田政権についてはGDP 2%の防衛費や防衛3文書の改定などは評価していたが、その後変わった。自民党は、あらゆる国策をやっているから、当然まともな政策もある。けれど、踏み越えてはいけない一線がある。それがLGBT法だった。そもそも手続きが強引だったし、日本という国柄も考えなかった。これはもう日本のナショナルアイデンティティを大事にしていこうという、そういう気持ちはないのだなと感じた」と批判。
続けて「来月17日に結党の集いを控えているので、あまり具体的なことは話せない」としつつ、政策については「日本を豊かに、強くしなくてはいけない。そういう政策を準備している。収入が上がらない、特に可処分所得が上がらないことに対して、策をポンポンと用意すれば不安が消えるか?というとそうじゃない。自分たちはこの社会、この国に生まれてきて良かったと思う気持ちの部分と、政策あるいはスキルの部分、これは両方必要だ」と明かした。
また、可処分所得が減っている原因について「取られるものが増えていることが一番の問題だ。ここにメスを入れないで、ちょこちょこ景気対策をやっていたら10年後はない」と指摘。そのうえで「この先の大きなことを考えるためには歴史の知識も絶対に必要だ。日本人は今までどう成功してきたのかに学ぶしかない」と述べた。
さらに「我々が若者だった30年前、今の人が抱えているような不安はなかった。当時も若者の給料はそれほど高くなかったが、一生懸命働けば給料は上がっていく。可処分所得の心配をすることはなかった。今は負担になる部分がどんどん増えている。今のアメリカ人の年収は平均して概ね9万5000ドルほど。現在のレートで計算すると日本人の平均年収の約3倍だ。もちろんアメリカは物価やインフレ率も高いから、生活は大変だが、これが日本の若者たちを委縮させている原因だ。だから、ここを何とかしないとどうしようもない」と指摘した。
選挙対策で来る人は“ノー”仲間集めの構想は?
では、どのような人を集め、党を拡大するのか。百田氏は「我々の党に入っても選挙で得はしない。日本保守党から立候補したら苦しい道になるかもしれないけれど、それでも良いなら入ってもらいたい。仮に勢いが出て、“あそこの党なら選挙に通るんちゃうか?”という姿勢で来る人はノーだ」と述べた。
有本氏も「自民党は大企業で我々はベンチャー。大企業を捨てて我々のところに来たいなら歓迎する」と話した。現職の国会議員との共闘・合流について問われると、「連絡はある。だが、その大半は“自民党を捨ててそちらに行くよ”という話ではない。選挙区に行くと“もう比例は自民党には入れたくない”“日本保守党とはどうなってるの?”などと有権者に言われて不安になるわけだ。やっぱりみんな自分の選挙が気になるから、“有本さん、保守党は今どの辺まで進んでるの?”というご連絡は随分もらっている」と明かした。
党勢の拡大については「ある人が“最初にないものは最後までない”と言った。最初に必要なものは、やはり結党の精神だ。そこを最初から妥協して、ただ大きくすることにあまり意味はない。私たちがもし数を追うとすれば、まずは党員で、議席の数はいずれついてくる。一般の国民が半分以上選挙に行かないという国はやはり政治が終わっている」と述べた。
百田氏は「我々の党を非難する人は“過去に新党がどれだけ生まれ、潰れてきたか”と言う。ひとつ反論させていただくと、過去に議員数を増やそうとして、あの党から来てくれと寄せ集めた党はいくらでもあるが、そんな党は全部霧消した」と述べた。
(『ABEMA Prime』より)
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