「全人類に読んでほしい」などSNS上で話題を呼び売り切れ続出のコミックエッセイ『令和妊婦、孤高のさけび!頼りになるのはスマホだけ?!』(オーバーラップ)通称、“たよスマ”。共感の声が集まる漫画の魅力に迫った。
「分娩台の上ですらメモを取っていた。どういう痛みが来てどういうことが起きたか、もうダイイングメッセージみたいな感じ」
テレビ東京で働きながら、兼業漫画家としてSNSに漫画を投稿している真船佳奈さん。サイン会を開けば長蛇の列、トークショーは満席で赤ちゃん連れの多くの人が参加している。
「自分では言葉にできないことが漫画になっていて、すごい共感できる」(サイン会の参加者)
「面白くて“真実”を書いてくれているところが好き」(ファン)
真船さんが描くのは、日本でも増えてきている「無痛分娩」や、出産後の「母乳信仰」で生じた夫婦関係の“溝”など。究極なまでの出産・育児のリアルだ。
「無痛分娩って痛いの?え…!待って、普通に痛い?!」
「妊娠した途端『痛いよね~でも皆耐えてるから』になる恐怖。お母さんになるから当然、子どもに会えるんだから。そういう優しい圧でどんどん弱音が吐けなくなっていく」
「(出産後)もう一回麻酔打ってくれぇ!」
「ミルクはダメ!母乳が赤ちゃんに一番良いのに!」
「イライラする。子を産んでから夫の世界と分断されてしまった気がする」
「一番つらいところは全部わたし、責任も全部私。全然公平じゃない。夜中の授乳だってオムツだってみーんな私。おでかけの荷物詰めるのも全部私。(夫の)育休だって正直何のために取ったのかわからない」(一部抜粋)
なぜ、真船さんはここまでぶっちゃけて自分の体験を描くのだろうか。
「痛いものは痛いし、つらいことはつらい。赤ちゃんに会えたからこんなにかわいい存在がいるからいいじゃないと収められがちだけど、そこを発信していかないと子育て世代の社会を取り巻く環境が変わらない」
現在は「保活編」をブログやSNSにあげて“共働き育児のリアル”を発信し続けている真船さん。「まだまだ兼業漫画家として働いていきたいと思っている」と話している。(『ABEMAヒルズ』より)