国連が決めた演説の「順番」…気候野心サミット岸田総理欠席の理由
【映像】「原稿はあったのに…」サミットを欠席した理由とは?

 9月20日、国連総会に合わせて開催された気候野心サミット。各国の代表が気候変動対策への思いを語るなか、日本の岸田総理の姿はなかった。

【映像】「原稿はあったのに…」サミットを欠席した理由とは?

「人類は地獄への門を開けてしまった」「化石燃料から何十億ドルも儲けようとする既得権益の欲のために失われた時間を取り戻さなければならない」。気候野心サミットの冒頭、国連のグテーレス事務総長は、温暖化の影響が指摘される異常気象が世界各国で起きていることに言及し、気候変動対策を加速させるよう呼び掛けた。

 前日の国連総会の一般討論演説では、「国際社会が協力して気候変動対策に取り組むべきだ」と訴えた岸田総理。気候野心サミットは、世界に向けて日本の取り組みを発信するいい機会だったはずだが、なぜ欠席となったのか?

 松野官房長官は「最終的には国連事務局によるアレンジと岸田総理の日程との調整が叶わなかった」と説明。政府は、国連総会期間中に他の会合や会談が予定されていたとしているが、スケジュールが合わなかったのには『別の理由』もあったという。 

 当初、日本政府は岸田総理が出席して発言する方向で原稿も準備して調整していたが、政府関係者によると、取り組みが「より野心的な」国ほど演説の順番が早く、岸田総理の出番はリストの後半に。記者会見など他の日程と合わないため順番を早めるよう要請したが、国連側が応じなかったため、演説を諦めることになった。

 国連は、「積極的に気候変動対策に取り組んでいる国や地方自治体などの声を聞く」と説明していたが、演説の中身を見て国連側が順番を決めることには、日本だけでなく欧米を中心に疑義が上がっていたという。

 会合で発言した各国の代表者からは、化石燃料に依存する先進国への不満が噴出した。この日、日本だけでなく、CO2の排出量が最も多い中国、次に多いアメリカの指導者も欠席。気候変動の影響が大きい国々との対立構造も見え隠れする中、国際社会が手を取り、2050年のカーボンニュートラル達成を実現することは可能なのだろうか?
(『ABEMAヒルズ』より)

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