「朝メシ前に腕立て90回」 茨城県警察学校に1日入学 “魂が抜けた記者の表情”が物語るハードな訓練と「今」に合わせた環境づくり
【映像】「き、キツすぎる…」魂が抜けた記者の表情
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 近年、「警察官離れ」が深刻化している。2013年に1819人だった茨城県警の志願者は2022年に771人へと減少。一方、茨城県では令和4年から犯罪件数・犯罪率ともに増加傾向にある。

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 現状を変えるべく、警察学校では「今」に合わせた指導・環境づくりを進めているという。テレビ朝日社会部 難波仁史記者は茨城県警察学校に1日入学し、実情を取材した。

━━そもそも警察学校とはどのような場所なのか?

警察学校とは警察官になるすべての人が入学必須であり、警察官に必要な知識や体力を身につける場所だ。採用試験は春と秋の年に2回あり、文章理解や論文、数的処理といった教養試験や身体検査・適性検査・面接がある。晴れて合格すれば巡査警察官としてのキャリアがスタート、その後警察学校に入学する流れとなる。警察学校は基本的には全寮制で期間は大卒であれば半年、高卒なら10カ月だ。

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━━警察学校の1日のスケジュールは?

学校の朝は早く、6時20分にグラウンドにて日朝点呼。その後、体操、腕立て伏せ30回×3セット、2キロのランニングを行う。

7時からは食堂で朝食だ。値段は440円で、電子マネーでの支払いも可能。私の時は魚のフライ、副菜、味噌汁、納豆、ごはんというメニューだった。

8時30分からはホームルームで職務倫理の基本唱和・諸注意、各種指導が行われる。

9時からは武道着に着替えて「逮捕術」を学ぶ。これも非常にハードで、準備運動、面・小手などの防具装着を経て、3分間の打ち込み・3分間の1対1の稽古をそれぞれ5本行う。恐るべきことに、その後は模擬警棒を装着し上記セットをもう一度行う。本来はそれぞれ3分間行われるが、私は1分半で魂が抜けるほど疲労した。

続いて、10時30分からは座学で「刑事訴訟法」を学ぶ。ここでは現行犯逮捕の要件、私人の現行犯逮捕などを学んだ。

12時からは昼食。590円で大盛り無料だ。

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12時50分からは「捜査・交通実務」、主に現場検証を行なった。ここでは、被害者役となった教官と会話をして、被害届の作成や現場の状況から実況見分調書を作成した。さらに、アルミの粉を刷毛につけて車に付着させて指紋を検出する、といった刑事ドラマのようなシーンも。

14時20分からは「警備実施」。ここではデモが起き出動した際の隊列の動き、楯を使った対応を覚える。5キロあるジェラルミン製の楯を持ちながらの3キロランニング、楯を持ちながらのリレー対決等が行われた。私は途中で顎があがってしまったが、鼓舞してもらいながらなんとか完走した。

━━教官による指導にはどのような印象をもったか?

警察学校に行く前は閉鎖的で非常に厳しい環境をイメージしていたが、生徒の笑顔が印象的で、教官もポジティブな声がけが多かった。「できないものはできない。一緒にできるようになるまで寄り添う」という指導方針だという。

━━女性の採用に力を入れ、また転職者にも門戸が開かれているというが。

茨城県警は女性の採用に力を入れており、女性割合は全国トップの12.9%。さらに今年4月の茨城県警察学校の入校者130名のうち女性は33名だ。また、茨城県では35歳までであれば、試験を受けて警察学校に入学することができる。 

━━警察学校の環境にも変化は起きているか?

男子寮は6人部屋だが半個室だ。また、授業も一方的に教わるのではなく双方向的なものだったりと「今」に合わせて変化を遂げていた。
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