将棋の藤井聡太竜王(名人、王位、叡王、棋王、王将、棋聖、21)に伊藤匠七段(20)が挑戦する第36期竜王戦七番勝負は10月7日、東京都渋谷区の「セルリアンタワー能楽堂」で第1局2日目の対局が行われている。前日の6日には、挑戦者の伊藤七段が封じ手を初経験。立会人の佐藤康光九段(54)のフォローの元で初日を締める“大仕事”を完遂した。
タイトル戦初登場の伊藤七段が、初々しく“初仕事”を終えた。封じ手は竜王戦ほか2日制のタイトル戦で採用されている規定で、1日目の終了定刻時点で手番の対局者が次の手を用紙に記入し、封筒に入れて厳重に保管される。通常2通が作成され、1通は立会人が、もう1通は対局場や対局宿の金庫などに預けられる。予選対局などでは行われないため、封じ手を経験することは「強者の証」とも言えるものの、用紙への記入方法や相手棋士、立会人への受け渡し方法などの作法は、どの棋士にとっても“難関”となっているようだ。
ポーカーフェイスの伊藤七段にとっても、封じ手は緊張の瞬間だった様子。控室での封じ手記入を終えて盤前に戻ると、封筒、スティックのり、記入用のペンの記入用具一式を立会人の佐藤九段へ。通例では立会人に渡す前に相手に手渡し、しっかり封じられていることを確認して封字を記してもらうが、伊藤七段は佐藤九段を経由。自身も数々のタイトル戦を経験した百戦錬磨の佐藤九段は、すかさずフォローを入れ流れるように封筒とペンを藤井竜王へと渡していた。
伊藤七段の初々しい封じ手の様子に、ABEMAの視聴者からは「将来の貴重映像だね」「ええやん初めてやし」「いいのよこういう初々しいのをみたいのよ」「初封じ手おつかれ様」「これから何度も経験されるでしょうね」と温かなコメントが続々。さらに、立会人の佐藤九段のさりげないフォローにも「佐藤先生さすがっす」「安心感はんぱない」「ナイスフォロー」「誘導ありがたいね」などの声が寄せられていた。
(ABEMA/将棋チャンネルより)