将棋の藤井聡太竜王(名人、王位、叡王、棋王、王将、棋聖、21)に伊藤匠七段(20)が挑戦する第36期竜王戦七番勝負が10月6・7の両日、東京都渋谷区の「セルリアンタワー能楽堂」で第1局が行われ、3連覇を目指す藤井竜王がシリーズ初戦を制した。“同学年対決”として注目を集める本七番勝負。八冠制覇へ向け王座戦五番勝負とダブルタイトル戦に臨んでいる藤井竜王がリードを広げるか、伊藤七段が反撃するか、第2局は10月17・18日に京都市の「総本山仁和寺」で指される。
絶対王者が盤石の指し回しで3連覇への先勝を飾った。21歳の絶対王者・藤井竜王と、20歳の新鋭・伊藤七段が激突する注目のシリーズが開幕。振り駒で伊藤七段の先手番に決まると、相掛かりの出だしとなった。序盤からかけ引きの多い将棋へと展開すると、両者は長考を重ねた慎重な進行となった。
タイトル戦初登場となった伊藤七段は中盤でやや誤算があったか、藤井竜王にペースを握られて以降は苦心の長考が続く。一方、藤井竜王は冷静な指し手を詰み重ねてリードを拡大すると、緩みの無い将棋で挑戦者を押し切り勝利を手にした。
好発進を遂げた藤井竜王は、「序盤から動きのある展開になり、こちらが軽い形で抑えこまれてしまいそうな局面が続いていて、中盤にかけては自信の持てない局面が多かったです。一局を通して判断の難しい将棋だったかなと思います」とコメント。次戦へ「しっかり振り返って第2局に向けて準備をしていきたいと思います」と話した。
この結果、藤井竜王のシリーズ通算成績は1勝0敗に。3連覇に向けて好スタートを切った。現在、藤井竜王は前人未踏の“八冠制覇”に向けて、王座戦五番勝負に挑戦中。永瀬拓矢王座(31)との対戦は2勝1敗と大偉業達成へあと1勝と迫っている。2つのタイトル戦が並行して行われるハードスケジュール期間に突入しているが、強敵を相手にどちらも一瞬たりとも気の抜けない重要対局が続く。
10月17・18日に京都市の「総本山仁和寺」で予定されている第2局では、どのような戦いが繰り広げられるか。若き両者による頂上決戦から目が離せない。
(ABEMA/将棋チャンネルより)