将棋の藤井聡太竜王(名人、王位、叡王、棋王、王将、棋聖、21)に伊藤匠七段(20)が挑戦する第36期竜王戦七番勝負第1局が10月6・7の両日、東京都渋谷区の「セルリアンタワー能楽堂」で指され、藤井竜王が先勝を飾った。3連覇を目指す藤井竜王は、同学年の挑戦者を“ノーミス”で圧倒。対局中に提供された渋谷対局恒例のハロウィンスイーツにも舌鼓を打った様子で「すごく美味しかったです」と満面の笑みを見せた。
【映像】藤井竜王、ハロウィンスイーツの感想を問われ表情が緩む瞬間
21歳の絶対王者・藤井竜王と、20歳の新鋭・伊藤七段の激突となった今期の七番勝負。開幕局は、先手番となった伊藤七段の誘導で「相掛かり」の出だしとなった。藤井竜王は「相掛かりになれば本譜の形も考えられる展開なのかなと思っていた」といい、かけ引きの多い最新形の将棋へと展開していった。難解な中盤でリードを奪った藤井竜王は、無理のない自然な攻めでリードを拡大。ABEMAの「SHOGI AI」が美しい“藤井曲線”を描く完勝を飾った。
ABEMAの中継で解説を務めた森内俊之九段(52)は「お互いの研究がぶつかり合い、一歩も引かない最先端の応酬で見ごたえがあった。研究が離れてからも一手の密度の濃い、最善手以外は苦しくしてしまうような綱渡りの将棋だったが、藤井竜王が8筋と1筋の折衝で巧みにポイントを稼いだ。そこからは隙のない形でまとめ切り、初戦から“ノーミス”に近い素晴らしい内容だったと思う」と総括。伊藤七段は初日の長考後の一手に「かなりおかしな手だったのかなと思っていて、そこから自信のない展開になってしまった。もう少し内容の良い将棋を指さないといけない」とほろ苦いタイトル戦デビューの一局を振り返っていた。
防衛へ白星発進を遂げた藤井竜王は、「自信のない展開だった」とコメント。次戦へ向けて「第2局は先手番になるので、対局に向けて準備をして良い状態で臨めればと思います」と意気込みを語った。
終局後のインタビューでは、対局中のおやつに選んだハロウィンスイーツの感想を求められる場面も。第1局では、対局場が設けられたセルリアンタワー東急ホテルの「ハロウィンスイーツ コレクション 2023」の中から、ジャックオーランタンの飾りつけが目を引く「かぼちゃのプリン」と、愛らしい一つ目おばけを模った「ジョリ ファントム(2層のチーズケーキ)」を注文。対局中の厳しい表情とは一変した笑顔を見せ、「今年の新作をご用意いただいたということで、それを頂きました。どちらもすごく美味しかったです」と話し、この時期ならではのスイーツもしっかり楽しんだ様子だった。
激戦の直後ながら満面の笑みでスイーツの感想を語る藤井竜王に、ファンもホッとした様子。「そかよかったw」「幸せになる笑顔ありがとう」「ほんとに美味しかったんだねw」「良い顔で風格もあるのに・・かわいいじゃないか」「笑顔まぶしい」「よかったよかった」などのコメントが寄せられていた。
次戦は10月17・18日、京都市の「総本山仁和寺」で予定されている。
(ABEMA/将棋チャンネルより)