メンズ脱毛市場に注目が集まっている。医療脱毛専門院「リゼクリニック」のデータによると2015年9月〜2020年8月までの5年間で女性の脱毛が4.7倍に増加した一方、男性の医療脱毛専門医「メンズリゼ」のデータでは同期間に男性の脱毛は11.3倍増加したという。
そうしたなかYouTubeで脱毛に関する情報を発信する加藤慧太氏は、成長が早く小学5年生の頃から体毛が濃くなり、23歳の時にヒゲを脱毛。今では全身ツルツルで、コンプレックスを解消したという。
4日の『ABEMA Prime』では同氏と、吉本興業で一番毛深い芸人・わっしょい原人、男性専門の医療脱毛院『ゴリラクリニック』の稲見文彦総院長を招き、メンズ脱毛が人気を集める理由や脱毛プロパガンダの正体に迫った。
きっかけは小学生時代 23歳でヒゲ脱毛を決断した訳
「きっかけはヒゲ脱毛だ」という加藤氏。「以前は朝出勤前に早めに起きて一生懸命ヒゲ剃りをしていたが、剃り終えた時点で、もはや青くて…。その容姿を鏡で見るたびに、自分自身が好きになれずに悩み、脱毛を決断した」と述べた。
また、体毛にコンプレックスを抱いたきっかけを「小学生の5年生頃に宿泊学習に行った際、自分は周りの男子より成長が早く、デリケート部分の毛や脇毛が生えていた。当時は親に相談することも恥ずかしく、処理方法もわからなかった。その時に一部の児童に見られて“あいつは生えている”と言いふらされてしまった。僕にはそれがかなりトラウマになってしまった」と明かした。
その後23歳でヒゲ脱毛を始め、最終的に約120万円をかけて全身脱毛をした経験を踏まえて「毛に関して悩んでいる方は、今なら脱毛で人生が変わると思う。毎日の無駄な剃毛の時間をなくして、生産性が上がることもそうだが、何より悩みがひとつなくなることで思っている以上に思考が変わった」と心境の変化に言及。
さらに「それまでは体毛のせいで、こんな自分が髪型にこだわったり、ファッションを頑張っても意味がないと思っていた。しかし、脱毛は支払ったお金に対して、目に見えて毛がなくなるという結果にコミットしてくれる。それが小さな成功体験となり、今まで嫌だったことが解消された。現在はVIOと呼ばれるデリケート部分も全てツルツルな状態になっている」と述べた。
当初「デリケート部分の毛は残しても良いかなと思った」と言うが、「逆にそこだけ残っていることに違和感を抱いてしまった。脱毛ですごく快適になったので、間違いなく快適になるだろうという思いでデリケート部分も脱毛した」と全身脱毛に踏み切った経緯を明かした。
毛深い=罪なのか?
番組内では加藤氏に対して「今後、毛深い男性が好まれる世の中になることについて心配ではないのか?」という質問も飛んだ。
加藤氏は「もちろん価値観が変わることはあると思うが、今までヒゲや体毛を生やしたいと思ったことは一度もない。これからの時代は周りの意見に流されることなく、本当に自分がどう在りたいかで決めていく。それが一番間違いないのではないかと思っている」と述べた。
これに対してお笑い芸人のパックンは「厳しいことを言うと、周りの意見に流されたのではないか。周囲からいじられずに“かっこいい”と言われていたら脱毛をしなかったのではないか」と質問。
加藤氏は「確かにもし僕が違う立場で、毛を褒められていたとしたら、おそらく脱毛をしていなかった可能性もあったかもしれない」と述べた。
一方、わっしょい原人は「毛深い男性を好きな女性は、もれなくきれいな人が多い。一周してここに辿り着く。だからきれいな女性と付き合える確率も上がる」と剛毛のメリットに言及。「脱毛する前に1回ネットで“わっしょい 胸毛”で検索してもらえれば僕の胸毛が出てくる。毛深いことで悩んでいる方には、かっこいい胸毛を見て、今の自分に自信をもってもらいたい」と述べた。
脱毛の歴史にトレンドあり 直近は男性専門院も次第に増加
実際に脱毛サロンに訪れる人々はどのような思いで来院するのか? 全国22カ所、月に7万人以上が来院するという『ゴリラクリニック』の稲見文彦総院長は「加藤さんのように体毛が濃いことに悩んで来られる方が大半だ」と述べた。
また、「今までは悩みに対する受け皿がなかったが、10年前から男性専門のクリニックができ始め、“こういう所で相談すれば自分のコンプレックスは解消できる”ということで、次第に増えていった。男性は外見を気にするなと言われた時代もあったが、今は“自分をこう直したい”という気持ちで来院される方が多い。とても良い傾向だ」と近年の変化に言及した。
実は脱毛にも時代によりトレンドがある。東京未来大学の鈴木公啓准教授によると、争いの時代は毛深さが好まれ、平和な時代はツルツルの方が良いとされる傾向にあるという。例えば、戦国時代はヒゲをたくわえる傾向にあったが、江戸時代になるとヒゲを剃る人が増えた。しかし、明治時代に富国強兵が叫ばれると、またヒゲを生やすことがトレンドになるなど、歴史は繰り返されているようだ。
一方でパックンは「僕が若かった時“なぜ女性だけ脇毛を剃らなければいけないのか。メイクやブラジャーをしないといけないのか”と。そういったファッションが一時期流行りそうな気配があった。でも、それではブラジャーや化粧品、髭剃りメーカーが儲からない。今は相変わらずナチュラルメイクと言いながら、結局メイクを勧めている。お金が動くと人は動く」と商業的な側面での“脱毛プロパガンダ”に言及した。
脱毛=プロパガンダ?“介護脱毛”の疑問に院長が回答
これに関連してコラムニストの河崎環氏は「ここ5年ほどで女性の間では“介護脱毛”が流行った。私と同世代は団塊ジュニアで層が厚いので“永久脱毛を使って欲しい”という業界の思惑もあったのだろう。“体毛が黒いうちはレーザーが反応するから介護される前にVIO脱毛をした方が周囲の人に迷惑をかけない”ということで、自分を含めて周囲の女性はみんな脱毛をした」と言及した。
ただ、稲見総院長は「介護脱毛=VIO脱毛ではない。例えば、寝たきりの男性に介助者がヒゲ剃りを行うのはかなり大変だ。ヒゲなども含めて介護脱毛という側面もある」と指摘。レーザー脱毛に関しては「いわゆるニードル脱毛であれば毛や肌の色に関係なくできる。それは確かにマーケティング的な流行りだ」と述べた。
最後に、脱毛で自分が変わったという加藤氏は「僕は今を全力で生きたくて、今の時代の流れに合わせてどの選択を採れば幸せになれるかを考えている。僕が今日伝えたいことは、自分のような人間もいれば、わっしょい原人さんのように体毛に自信を持っている方も素敵だと思う」と述べた。
(『ABEMA Prime』より)
■Pick Up
・「ABEMA NEWSチャンネル」がアジアで評価された理由
・ネットニュース界で話題「ABEMA NEWSチャンネル」番組制作の裏側